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side 潤

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はぁ~……



ベッドで横になりながら、大きな溜め息がこぼれた。



今日は、なんだか疲れた。
体ではなく、精神的に。



翔子からの返事はなかった。
いくらなんでも、LINEに気付いてないはずがない。
だとしたら、もしかして、彼氏にみつかって、なんか言われたんじゃないだろうか?



そう思ったら、急に翔子のことが心配になって、送ったLINEを削除した。
すでに見られていたら、今更削除なんてしても意味はないんだけど。



とにかく、もう忘れよう…
多分、翔子からはもう連絡が来ることはないだろう。



縁がなかったんだ。
そうだ。僕達の縁は18の時に切れたじゃないか。
一度切れてしまったものは、もう、繋がることなんてない。



(僕って、未練がましい性格だったんだな……)



自分自身を笑った時、LINEが届いた。



「えっ!?」



それは意外にも翔子からのLINEだった。



『あれ?取り消し?
どうかしたの?』



翔子のやつ…
僕の気も知らないで、今頃こんな呑気なことを…
腹が立つはずなのに、なんだか嬉しくて…



『え?もしかして、今、LINEに気付いたのか?』

『うん。さっきまで居間でテレビ見ながら、お母さん達と喋ってたから。』



(お母さん達……)



一緒にいたのが彼氏じゃないとわかって、さらに気分は明るくなった。
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