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もうどうしたらいいのかわかりません…

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「いけない!私…さゆみに電話しなくっちゃ!」

いたたまれなくなった私は、その場を離れる口実に、そんな噓を吐いた。



 「電話って…どうせ明日会うんだろ?」

 「明日の講義のことで、今日中に聞いとかないといけないことがあるんだよ。
 留年したら大変だからね。」

それだけ言い残して、私は部屋に駆け上がった。 
だって、今にも泣き出してしまいそうで… 
でも、瑠威の前では泣けないから、それを必死で堪えて… 
部屋に着いて、後ろ手で扉を閉めた途端、大粒の涙がポロポロこぼれ落ちた。

 今でも信じられない。 
 何度も会って、いろんなことを話して…その度にリクさんのことを好きになって… 



私を見るリクさんの目はとても優しくて…繋いだ手の温もりはリクさんの心の温かさだと思ってた…だけど…そんなの全部幻だったんだ。 



 枕の横に置いてあるマンボウを見たら、余計に胸が苦しくなった。
 水族館でのリクさんの笑顔が思い出されて…



もうすぐ夕飯なのに、泣いたら、ママや瑠威におかしいって思われちゃうよ。
なのに、涙が止まらない。
 裏切られてたことがわかっても、まだリクさんのことを嫌いになれない自分自身に腹が立って…
そんな自分の愚かさが悔しくて…



あの日以来、ずっと付けてたブレスレットをそっと外した。
 Rの刻印がさらに涙を増幅させる。 
 護っててくれたと思ってたのも、全部まやかしだったんだね…

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