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(わぁぁ……)



数日後、ガッキーが家に招待してくれた。
なんと、大きな自家用車で来てくれたよ。
やっぱり、ガッキーもお嬢様なんだよね。
貧相なうちのアパート見られて、ちょっと恥ずかしい。
近くの公園あたりに来てもらえば良かったかも。



うちから車で30分くらい走った先に、ガッキーの家があった。
着いてビックリ。
遼の家とあんまり変わらないくらい大きなお屋敷だ。



「まぁ、ようこそいらっしゃいました。
雪子の母です。」

「は、初めまして。
田村雅美と申します。
雪子さんにはいつもお世話になっております。
これ、つまらないものですが…」

近所で買ってきたお煎餅を手渡した。
割と美味しいやつ。
でも、絶対失敗したと思うよ。
このお宅には、ケーキとかプリンの方が合ってたね。
一応、お母さんは受け取ってくれたけど、包装紙からしてこのお宅には似合わない。
あぁ、恥ずかしい。



逃げるようにその場を去って、私達は2階のガッキーの部屋へ向かった。



「わぁ~!」



イメージで言うと、お姫様の部屋って感じ?
ベッドやカーテンはフリフリしてるし、白のアンティーク調の家具でまとめられて、なんだか良いにおいがする。
私の部屋は四畳半の和室。
狭いし、家具は多いし、可愛くもなんともない。
今更、羨ましがっても仕方ないけど、人生って本当に不公平だなって思ったよ。
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