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「遼、冗談はやめて!」

モデル風の女子が、遼を睨み付ける。



「冗談じゃないよ。
僕と雅美は、もう何年も前から付き合ってるよ。」

「嘘!私、この人を見たのは初めてよ。
彼女があなたの誕生日パーティーにも来ないなんておかしいじゃない。」

「雅美は、パーティとか好きじゃないから、いつも誕生日は二人で会ってたんだよ。
だから、僕の誕生日パーティーはいつも少し違う日だったでしょ?」

あぁ、確かにパーティーのことは以前いわれたことがあった。
そして、確かに私はそれを断った。
そうか、でも、パーティーは毎年開かれてたんだね。



「ちょっと、あなた。
わかってる?
あなたは、遼にからかわれてるの。
あ…私は一条姫香。」

「姫香様は、一条コンツェルンのお嬢様なのよ!」

巻き髪の女子が叫んだ。
コンツェルンって、何なんだろう?



「あのね、私は生まれた時から遼の許嫁なの。
わかる?
だから、彼女とかそんなの関係ないの。」

許嫁…何か聞いたことはあるけど、何だっけ?



「あなた、もしかして許嫁がわからないの?」

私は素直に頷く。



「とんだおバカさんね。
良い?許嫁っていうのは、婚約者のこと。
つまり、私と遼は結婚を約束してるの。」

一条さんの話にびっくりしてると、遼は大きな声で笑った。
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