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「ルシファー様、少しおふざけが過ぎるのではありませんか?」
イアンの顔つきが変わった。
涼しげな目もとに浮かんでいるものは怒りと、自信だった。
「ほぅ…人格が入れ替わったって訳か」
一目見て、彼がアリアになったと分かったルシファーは、予想がついていたのか驚くことなく呟く。
「だが、貴様が表に出てきたとして、オレに敵うとでも思っているのか?…そこまで愚かではあるまい。それとも、牧師を裏切ってオレの配下につくとでもいうのか」
「ふっ、まさか…」
立ち上がり、土埃を手で払う。
それから右手で空に何かを書き記した後、
「偉大なる神の御名において我願う 汝が天地の鎖に繋がれんことを」
彼は呪文を唱えた。
「!!」
その瞬間、ルシファーの足元が光り、そこから銀に輝く鎖が地面から突き出してくる。
「神聖なる力を示し 我の願い叶えよ」
アルヴィンの凛とした声に、神の鎖がかわす間もないルシファーを絡め捕らえた。
「お前…悪魔のくせになぜ神の力が使える…」
「おや、ご存じないのですか?私の血肉を飲んだからと言って、イアンは悪魔になった訳ではないんですよ。寧ろその逆…私が悪魔を捨て、神に従っている…私とイアンの間には信頼という思いが特別に働いていますから、この力はちょっと特別なんです」
ふふふ…、アルヴィンは自分を睨むルシファーの顎に指をかけて小さく笑った。
「くそっ!!」
ルシファーは、力で断ち切ろうとするが、神の鎖は能力を奪うのかびくともしない。
「あなたには絶対に得られない力です。さて、私の大切な人を酷い目に遭わせた代償は大きいですよ…どうやって返してもらいましょうか」
「ルシファー様、少しおふざけが過ぎるのではありませんか?」
イアンの顔つきが変わった。
涼しげな目もとに浮かんでいるものは怒りと、自信だった。
「ほぅ…人格が入れ替わったって訳か」
一目見て、彼がアリアになったと分かったルシファーは、予想がついていたのか驚くことなく呟く。
「だが、貴様が表に出てきたとして、オレに敵うとでも思っているのか?…そこまで愚かではあるまい。それとも、牧師を裏切ってオレの配下につくとでもいうのか」
「ふっ、まさか…」
立ち上がり、土埃を手で払う。
それから右手で空に何かを書き記した後、
「偉大なる神の御名において我願う 汝が天地の鎖に繋がれんことを」
彼は呪文を唱えた。
「!!」
その瞬間、ルシファーの足元が光り、そこから銀に輝く鎖が地面から突き出してくる。
「神聖なる力を示し 我の願い叶えよ」
アルヴィンの凛とした声に、神の鎖がかわす間もないルシファーを絡め捕らえた。
「お前…悪魔のくせになぜ神の力が使える…」
「おや、ご存じないのですか?私の血肉を飲んだからと言って、イアンは悪魔になった訳ではないんですよ。寧ろその逆…私が悪魔を捨て、神に従っている…私とイアンの間には信頼という思いが特別に働いていますから、この力はちょっと特別なんです」
ふふふ…、アルヴィンは自分を睨むルシファーの顎に指をかけて小さく笑った。
「くそっ!!」
ルシファーは、力で断ち切ろうとするが、神の鎖は能力を奪うのかびくともしない。
「あなたには絶対に得られない力です。さて、私の大切な人を酷い目に遭わせた代償は大きいですよ…どうやって返してもらいましょうか」
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