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「あ…!おじちゃん!」
「ルシファー!」
スィーク・レノの農場に着いた一行を、人懐っこい笑顔のルシファーが出迎えた。
(ロザリオはちゃんとかけているというのに、なぜ、ルシファーの身体はこんなにも成長してしまったのだろう…
このロザリオだけではヤツの力を封じることは難しいということか?)
「これが、オルジェとケイトの息子なのか?
……つい最近生まれたにしちゃ、えらくでかいな!」
「ルシファー、おいで。
こっちは、ランディおじちゃんだ、トレルおじちゃんのことは覚えているか?」
「う…ん、ちょっと覚えてるかな。
ランディおじちゃんの横にいる小人さんは…?」
「こいつは驚いたな。
ルシファー、おまえにはこいつが見えるのか?
こいつは、アルグ。
お前のパパやママの友達だ。」
「初めまして、ルシファー。
ボクはアルグです。よろしく。」
ランディの肩から降りたアルグが、ルシファーに向かって小さな手を差し出した。
「初めまして。ぼく、ルシファー。」
アルグより少し背の高いルシファーが、アルグと握手を交わした。
「あのケイトさんがこんな大きなお子さんのお母さんになってるなんて、信じられない想いです。
でも、ルシファーは、ケイトさんに似てますね。」
「そうだな。
目元はオルジェによく似てる。」
「ルシファー…」
トレルは、ルシファーの小さな身体を抱き締めた。
トレルの瞳からは、涙が止めど無くこぼれ落ちる。
今まで実感として感じられなかったオルジェの死が、ルシファーの顔を見た途端、現実として感じられたのだ。
そう、オルジェはもういない…
家族同様に育ってきたあのオルジェは、もうこの世にはいないのだ。
だが、オルジェはこの世に生きていた証を遺してくれた。
ルシファーという小さな証を…
「トレルおじちゃん、どうしたの?」
「……ごめんよ、ルシファー。
おまえの顔を見てたら、おまえのパパのことを思い出してな…」
「パパは、お星様になったんだよ。
でも、いつもお空から僕達のことを見てるから寂しく思わなくて良いんだってママが言ってたよ。
だから、おじちゃんも泣かないで。」
「ありがとう、ルシファー。
おまえは優しい良い子だな。
おまえが良い子だから、パパもきっと喜んでるよ。」
「うんっ!」
「ルシファー!」
スィーク・レノの農場に着いた一行を、人懐っこい笑顔のルシファーが出迎えた。
(ロザリオはちゃんとかけているというのに、なぜ、ルシファーの身体はこんなにも成長してしまったのだろう…
このロザリオだけではヤツの力を封じることは難しいということか?)
「これが、オルジェとケイトの息子なのか?
……つい最近生まれたにしちゃ、えらくでかいな!」
「ルシファー、おいで。
こっちは、ランディおじちゃんだ、トレルおじちゃんのことは覚えているか?」
「う…ん、ちょっと覚えてるかな。
ランディおじちゃんの横にいる小人さんは…?」
「こいつは驚いたな。
ルシファー、おまえにはこいつが見えるのか?
こいつは、アルグ。
お前のパパやママの友達だ。」
「初めまして、ルシファー。
ボクはアルグです。よろしく。」
ランディの肩から降りたアルグが、ルシファーに向かって小さな手を差し出した。
「初めまして。ぼく、ルシファー。」
アルグより少し背の高いルシファーが、アルグと握手を交わした。
「あのケイトさんがこんな大きなお子さんのお母さんになってるなんて、信じられない想いです。
でも、ルシファーは、ケイトさんに似てますね。」
「そうだな。
目元はオルジェによく似てる。」
「ルシファー…」
トレルは、ルシファーの小さな身体を抱き締めた。
トレルの瞳からは、涙が止めど無くこぼれ落ちる。
今まで実感として感じられなかったオルジェの死が、ルシファーの顔を見た途端、現実として感じられたのだ。
そう、オルジェはもういない…
家族同様に育ってきたあのオルジェは、もうこの世にはいないのだ。
だが、オルジェはこの世に生きていた証を遺してくれた。
ルシファーという小さな証を…
「トレルおじちゃん、どうしたの?」
「……ごめんよ、ルシファー。
おまえの顔を見てたら、おまえのパパのことを思い出してな…」
「パパは、お星様になったんだよ。
でも、いつもお空から僕達のことを見てるから寂しく思わなくて良いんだってママが言ってたよ。
だから、おじちゃんも泣かないで。」
「ありがとう、ルシファー。
おまえは優しい良い子だな。
おまえが良い子だから、パパもきっと喜んでるよ。」
「うんっ!」
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