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「そうなんですか!?
じゃあ、俺の中にいるルシファーって奴を早く追い祓って下さい!」
「ルシファーは普通の悪魔ではない。
そう簡単に祓えるものではないんだ。
もうしばらく奴の様子を見なくてはな…
だが、君の力にはなれると思う。
なんでも話してくれ。」
「ルシファーっていうのはそんなに厄介な奴なんですか…
アズラエルさん…実は、俺……」
オルジェはアズラエルに心の中のものをすべてぶちまけた。
初対面の相手に、なぜこうもたやすく心を開くことが出来たのか、自分でも不思議に思う程に…
「そうか…では、相当長い間、奴に身体をのっとられていたんだな。
しかし、不思議だ…
なぜ、邪魔な君の意識を完全に殺してしまわないのかが…」
「意識を殺す…?
そんなこともあるんですか?」
「あぁ、奴ほどの悪魔にとって、そんなことはたやすいことだ。」
オルジェは自分の身体が小刻みに震えていることに気が付いた。
(意識が殺されるなんて…)
「心配するな。
俺がいる間は、ルシファーにそんな最悪の真似は絶対にさせやしない。
……それで、ルシファーに意識を押さえこまれていた間のことは、なにも覚えていないのか?」
「はい…何も…
それで…ケイトのことも…」
真っ赤になるオルジェを見て、アズラエルは微笑んだ。
「大変だったな…
しかし、トレルの話によるとケイトはすでに妊娠してるらしい。
君の身体がそういうことに使われたのは間違いないな。」
オルジェはさらに赤くなって下を向く。
「……ケイトのこと…好きじゃないのか?」
「……そ…それは…」
「それなら、もうその事実を受け入れるしかないな。
最近は体調が悪くておかしな行動をしてしまったんだといって、今夜にでも抱いてやれ!
今度は身体を使われるだけではなく、おまえ自身の気持ちでな。」
「そ、そんな…俺…
だって……そんなこと……」
「何をいまさら…心配するな。
そういうことは、自然に出来るもんだ。
それとも、あの時の自分は悪魔にのっとられていて記憶がないと…そんな残酷なことをケイトに言うつもりなのか…?」
オルジェは黙って首を横に振った。
じゃあ、俺の中にいるルシファーって奴を早く追い祓って下さい!」
「ルシファーは普通の悪魔ではない。
そう簡単に祓えるものではないんだ。
もうしばらく奴の様子を見なくてはな…
だが、君の力にはなれると思う。
なんでも話してくれ。」
「ルシファーっていうのはそんなに厄介な奴なんですか…
アズラエルさん…実は、俺……」
オルジェはアズラエルに心の中のものをすべてぶちまけた。
初対面の相手に、なぜこうもたやすく心を開くことが出来たのか、自分でも不思議に思う程に…
「そうか…では、相当長い間、奴に身体をのっとられていたんだな。
しかし、不思議だ…
なぜ、邪魔な君の意識を完全に殺してしまわないのかが…」
「意識を殺す…?
そんなこともあるんですか?」
「あぁ、奴ほどの悪魔にとって、そんなことはたやすいことだ。」
オルジェは自分の身体が小刻みに震えていることに気が付いた。
(意識が殺されるなんて…)
「心配するな。
俺がいる間は、ルシファーにそんな最悪の真似は絶対にさせやしない。
……それで、ルシファーに意識を押さえこまれていた間のことは、なにも覚えていないのか?」
「はい…何も…
それで…ケイトのことも…」
真っ赤になるオルジェを見て、アズラエルは微笑んだ。
「大変だったな…
しかし、トレルの話によるとケイトはすでに妊娠してるらしい。
君の身体がそういうことに使われたのは間違いないな。」
オルジェはさらに赤くなって下を向く。
「……ケイトのこと…好きじゃないのか?」
「……そ…それは…」
「それなら、もうその事実を受け入れるしかないな。
最近は体調が悪くておかしな行動をしてしまったんだといって、今夜にでも抱いてやれ!
今度は身体を使われるだけではなく、おまえ自身の気持ちでな。」
「そ、そんな…俺…
だって……そんなこと……」
「何をいまさら…心配するな。
そういうことは、自然に出来るもんだ。
それとも、あの時の自分は悪魔にのっとられていて記憶がないと…そんな残酷なことをケイトに言うつもりなのか…?」
オルジェは黙って首を横に振った。
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