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「ケイト…ケイト……」
「な…オ…オルジェ!
どうして、ここへ?!」
目を覚ましたケイトは、オルジェの姿に驚いた様子を見せた。
「どうしたんだ?ケイト?」
「オルジェ……あんた…大丈夫なの?」
「大丈夫?あぁ…俺が変な行動をしたってことだな?
それなら大丈夫だ。
悪魔はもう離れた…」
「離れた?
そんなはずないわ!」
「それはどういうことなんだ?」
「あ……いえ、なんでもないの。
それより、オルジェ、あんた一人でここへ?」
「いや、トレルと一緒だ。」
「じゃ、なんでオルジェだけがここに?」
オルジェは、ケイトから急に目を逸らし、俯いたまま、ゆっくりと口を開いた。
「……それは……ケイトに会いたかったから……」
「な、な、何を…!」
「実は、トレルの具合がよくないんだ。
それで医者の所へ来たんだけど、もしかしたらそろそろケイトが帰って来る頃じゃないかと思ったらたまらなくなって…それで、探しに来たら、運良くみつけることが出来て…」
「あ!そういえばリンクは?リンクがいないわ!」
「大丈夫さ、リンクならトレルと一緒だ。」
「トレルと?なぜ、そんなことを…?」
「おまえと二人っきりで話がしたかったから…」
「話?リンクがいたらまずい話なの?」
「ケイト……お、俺、ケイトのことが好きなんだ!」
まっすぐにみつめてそう言ったオルジェに、ケイトの顔色は急激に変わった。
「う、嘘よ、そんなの!
おかしいわ。オルジェは今まで一言だってそんなこと…あ…」
不意に近付いて来たかと思うと、オルジェの唇が、ケイトの唇を塞いだ。
「や…やめて!オルジェ、どういうつもりなの!?」
「ケイト、俺のことが嫌いなのか?」
「そうじゃないけど…オルジェはそんなことは…」
ケイトの瞳には恐れと疑いの色が宿っていた。
「ケイト……
おまえ、最近変わったよな…そう、ランディに出会ってからだ。
ランディのことが好きなのか?
もしかしたら、おまえがランディにとられるんじゃないかって、俺…すごく不安になって…
その時、俺…自分の気持ちにやっと気が付いたんだ。
ケイトのことを…俺はずっとケイトのことを愛してたんだって…」
「オルジェ…」
「やっぱりランディの方が良いのか?
あいつの方がカッコいいから?」
「そ、そんなことないよ…
私もずっとオルジェのこと…す、好き……」
ケイトは瞳を伏せ、恥ずかしそうにそう言った。
「本当なのか?本当に…あぁ、ケイト…!」
オルジェは弾けた笑顔でケイトを抱き締め、再び唇を合わせた。
今度はケイトもオルジェに抗うことはなかった。
「ケイト…俺…不安なんだ…
怖いんだ…
ケイト…」
「オルジェ、どうしたのよ、一体…」
オルジェの唇は何度もケイトの唇を求めた。
やがて、その唇はケイトの首筋に這う。
「いやっ、オルジェ…
これ以上は…」
「ケイト…愛してる…ケイト…
もう止められないよ…」
「オ…ルジェ…だ…だめ…」
「な…オ…オルジェ!
どうして、ここへ?!」
目を覚ましたケイトは、オルジェの姿に驚いた様子を見せた。
「どうしたんだ?ケイト?」
「オルジェ……あんた…大丈夫なの?」
「大丈夫?あぁ…俺が変な行動をしたってことだな?
それなら大丈夫だ。
悪魔はもう離れた…」
「離れた?
そんなはずないわ!」
「それはどういうことなんだ?」
「あ……いえ、なんでもないの。
それより、オルジェ、あんた一人でここへ?」
「いや、トレルと一緒だ。」
「じゃ、なんでオルジェだけがここに?」
オルジェは、ケイトから急に目を逸らし、俯いたまま、ゆっくりと口を開いた。
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「な、な、何を…!」
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それで医者の所へ来たんだけど、もしかしたらそろそろケイトが帰って来る頃じゃないかと思ったらたまらなくなって…それで、探しに来たら、運良くみつけることが出来て…」
「あ!そういえばリンクは?リンクがいないわ!」
「大丈夫さ、リンクならトレルと一緒だ。」
「トレルと?なぜ、そんなことを…?」
「おまえと二人っきりで話がしたかったから…」
「話?リンクがいたらまずい話なの?」
「ケイト……お、俺、ケイトのことが好きなんだ!」
まっすぐにみつめてそう言ったオルジェに、ケイトの顔色は急激に変わった。
「う、嘘よ、そんなの!
おかしいわ。オルジェは今まで一言だってそんなこと…あ…」
不意に近付いて来たかと思うと、オルジェの唇が、ケイトの唇を塞いだ。
「や…やめて!オルジェ、どういうつもりなの!?」
「ケイト、俺のことが嫌いなのか?」
「そうじゃないけど…オルジェはそんなことは…」
ケイトの瞳には恐れと疑いの色が宿っていた。
「ケイト……
おまえ、最近変わったよな…そう、ランディに出会ってからだ。
ランディのことが好きなのか?
もしかしたら、おまえがランディにとられるんじゃないかって、俺…すごく不安になって…
その時、俺…自分の気持ちにやっと気が付いたんだ。
ケイトのことを…俺はずっとケイトのことを愛してたんだって…」
「オルジェ…」
「やっぱりランディの方が良いのか?
あいつの方がカッコいいから?」
「そ、そんなことないよ…
私もずっとオルジェのこと…す、好き……」
ケイトは瞳を伏せ、恥ずかしそうにそう言った。
「本当なのか?本当に…あぁ、ケイト…!」
オルジェは弾けた笑顔でケイトを抱き締め、再び唇を合わせた。
今度はケイトもオルジェに抗うことはなかった。
「ケイト…俺…不安なんだ…
怖いんだ…
ケイト…」
「オルジェ、どうしたのよ、一体…」
オルジェの唇は何度もケイトの唇を求めた。
やがて、その唇はケイトの首筋に這う。
「いやっ、オルジェ…
これ以上は…」
「ケイト…愛してる…ケイト…
もう止められないよ…」
「オ…ルジェ…だ…だめ…」
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