32 / 291
scene 2
13
しおりを挟む
*
トレルはフォーラスの胸ぐらを掴むと、乱暴に揺さぶった。
リュタンの村へは見える者しか入れないと記憶している。
「探すのが得意だって言ったよな。だったら村の入口がどこにあるか、見つける事ができるんだろう?」
「…まぁな」
「案内できるか」
トレルが聞くと、悪魔は首を横に振った。
「出来んな」
「何だと…?」
「お前さんから言い出すという事は、ワシと契約を結ぶ事になるからな」
無理だろう?
フォーラスは試すような目でトレルを見た。
「お前さんの望みを叶えるのは簡単だが、その見返りにワシの望みを受け入れる事はできまい?覚悟がないなら、容易く口にするものではないぞ」
「まさか最初からそのつもりで、俺に近づいたんじゃないだろうな」
「そんなつもりはないが…結果的にはそうかもな」
(やられた…畜生)
トレルは掴んでいた手を離した。
「お前の望みは何だ?」
すると、その言葉を待っていたかのようにフォーラスは笑った。
トレルはフォーラスの胸ぐらを掴むと、乱暴に揺さぶった。
リュタンの村へは見える者しか入れないと記憶している。
「探すのが得意だって言ったよな。だったら村の入口がどこにあるか、見つける事ができるんだろう?」
「…まぁな」
「案内できるか」
トレルが聞くと、悪魔は首を横に振った。
「出来んな」
「何だと…?」
「お前さんから言い出すという事は、ワシと契約を結ぶ事になるからな」
無理だろう?
フォーラスは試すような目でトレルを見た。
「お前さんの望みを叶えるのは簡単だが、その見返りにワシの望みを受け入れる事はできまい?覚悟がないなら、容易く口にするものではないぞ」
「まさか最初からそのつもりで、俺に近づいたんじゃないだろうな」
「そんなつもりはないが…結果的にはそうかもな」
(やられた…畜生)
トレルは掴んでいた手を離した。
「お前の望みは何だ?」
すると、その言葉を待っていたかのようにフォーラスは笑った。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
深淵に眠る十字架 The second
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
皆の力と智恵により、ようやく宝石の中に封じ込められたルシファーだったが、奴は諦めてはいなかった。
ちょっとした偶然から、ルシファーはついに復活を遂げ、リュタン達への復讐が始まる。
※「深淵に眠る十字架」の続編です。
ぜひ本編の方からお読みください。
こちらはコラボではありません。
※表紙画像はシンカワメグム様に描いていただきました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました
ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】
ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です
※自筆挿絵要注意⭐
表紙はhake様に頂いたファンアートです
(Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco
異世界召喚などというファンタジーな経験しました。
でも、間違いだったようです。
それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。
誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!?
あまりのひどい仕打ち!
私はどうしたらいいの……!?
転生したら悪魔になったんですが、僕と契約しませんか?
らる鳥
ファンタジー
病院の一室で死を待つばかりだった僕は、ある日悪魔に出会った。
どうしても死にたくなかった僕に、存在する事に飽いていた彼は、ある提案を持ち掛ける。
本編は完結済みです。
オマケをポツポツ足して行く予定。
オマケの章より下は蛇足ですので、其れでも構わない方のみ読み進めて下さい。
更新は不定期です。
この作品は小説家になろう様にも投稿します。
私を虐げた人には絶望を ~貧乏令嬢は悪魔と呼ばれる侯爵様と契約結婚する~
香木あかり
恋愛
「あなた達の絶望を侯爵様に捧げる契約なの。だから……悪く思わないでね?」
貧乏な子爵家に生まれたカレン・リドリーは、家族から虐げられ、使用人のように働かされていた。
カレンはリドリー家から脱出して平民として生きるため、就職先を探し始めるが、令嬢である彼女の就職活動は難航してしまう。
ある時、不思議な少年ティルからモルザン侯爵家で働くようにスカウトされ、モルザン家に連れていかれるが……
「変わった人間だな。悪魔を前にして驚きもしないとは」
クラウス・モルザンは「悪魔の侯爵」と呼ばれていたが、本当に悪魔だったのだ。
負の感情を糧として生きているクラウスは、社交界での負の感情を摂取するために優秀な侯爵を演じていた。
カレンと契約結婚することになったクラウスは、彼女の家族に目をつける。
そしてクラウスはカレンの家族を絶望させて糧とするため、動き出すのだった。
「お前を虐げていた者たちに絶望を」
※念のためのR-15です
※他サイトでも掲載中
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる