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(…なるほど…
で、オレがとびっきりキラキラした大きな水晶を持っていったとしても、「残念ながら、これは私の言った『暗闇に眠る小さな星』ではありませんね…」なんてことをしたり顔で言うつもりだな!
もしかしたら、最初からそんなものはなくて、何を持っていっても同じことを言うつもりなんじゃあ…
…畜生!!
オレはまんまとハメられたってことなのか?!)

オルジェは考えた。
なんとか、イアン牧師の鼻を明かしてやる良い案はないものか?!と…

そして、夜が白々と明ける頃、オルジェは、不意に最高のアイディアを思い付いた。



「よしっ!決まった!!」

オルジェは眠るのも忘れ、簡単な身支度を済ませるとすぐに家を出た。
机の上には「しばらくラスティア山に行ってくる」と短い書き置きを残して…








「イアン牧師、あいつ、真面目に頑張ってたよ。」

「そうですか。それは良かった。
もうしばらくしたら、とびきり綺麗な水晶を持ってここへ来ることでしょう。」

イアン牧師とトレルは顔を見合わせて微笑んだ。



トレルがオルジェの書き置きを読んでラスティア山に行ってみると、鉱夫達に交じって土を掘るオルジェの姿をみつけた。

二日程、トレルは隠れて様子を見ていたが、オルジェは朝から夕方近くまでとても真面目に作業を続けていた。

オルジェは、イアン牧師の言った「暗闇に眠る小さな星」を宝石のことだと信じ、それを探している。

しかし、ここにはそんなたいした宝石などはない。
いや、たいしたものであるかどうかが、そもそも重要なことではないのだ。



(…ま、せいぜい頑張ることだな!)

トレルはそのまま山を降り、教会に戻った。







それから、一週間の時が過ぎた。



「オルジェはまだ来ませんが、今でも鉱山にいるのですか?」

「あぁ、俺も少し心配になって昨日見に行ったんだが、あいつ、まだ堀り続けていやがった。」

「そうですか…
なんとしても失敗したくないと思って、一生懸命なのかもしれませんね…」

オルジェがこれほど根気強かったことに、トレルはいささか驚いていた。


(…オルジェ…お前、そんなにコンジュラシオンになるのがいやなのか…?)


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