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ユーロジアへ…

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 「亜里沙…大丈夫か?」

 「は、はい。」



お城に着いて、早速、私は国王御夫妻のところへ連れて行かれた。
 国王御夫妻と会う事なんて、普段ならまずないことだし、何も聞かされてなかったから本当にびっくりして、緊張して…



リュシアン様は、私が何者かに誘拐されて軟禁され、ずっと捜索をしていた結果、ようやく見つけ出したと報告された。
そうだよね…本当のことなんて話せるはずないんだから。



 御夫妻はそのことをすんなりと信じ込まれ、喜んで下さったし、本心はどうかはわからないけど、私とリュシアン様の結婚を祝福して下さった。



 「これから忙しくなるぞ。」

 「そ、そうですね。」



 緊張し過ぎたせいなのか、久しぶりに着た細身のドレスのせいなのか、なんだか胸が詰まった。



……私、本当にリュシアン様と結婚するんだ…
まだ、全然実感がわかないけど…



「亜里沙…必ず、幸せにするからな。」

 突然抱きしめられて、熱い唇が重なった。
なんだか体がしびれて、頭がくらくらした。



アドルフ様とは違う…



頭の片隅でふとそんなことを考えた。



 (私、まだ、アドルフ様のことを…?)



 不安はいっぱいあるけれど、それでも、私はリュシアン様を信じて生きていこう…
あらためて、私はそう決意した。

 
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