252 / 277
千里眼
2
しおりを挟む
*
(亜里沙…一体、どこにいるんだ?)
二コラは無事に十二の誕生日を迎え、俺は、また自由な身に戻った。
それから俺は、毎日城を抜け出して亜里沙を探しまわった。
だが、闇雲に探し回っても、それは徒労に終わるだけだった。
亜里沙の手掛かりは、何ひとつみつからない。
それも仕方のないことだ。
亜里沙がいなくなってから時が経ち過ぎている。
それに、彼女はまるで神隠しにでもあったかのように、姿を消している。
亜里沙らしき女性が市の近くの森に行くのを見たという証言以外、誰も彼女を見た者がいないのだ。
やはり、これは国王陛下の陰謀なのだろうか?
森の中で亜里沙を待ち伏せして、どこかに連れ去り…まさか、殺害した…?
いや、国王陛下は嘘を吐かれる方ではない。
俺に、亜里沙のことは何も知らないとおっしゃったのだから…
もし、俺と亜里沙の結婚を反対されていたとしても、いくらなんでもそこまでされるはずはない。
現に亜里沙がいなくなってからも、俺に無理やり誰かと結婚させようとはされなかった。
だが…もしも、これが遺恨だとしたら…
アドルフやジゼルが死んだことを、陛下が亜里沙のせいだと思われていたら…
まさか、そんなこと…
あり得ない!陛下はそんなことをする方ではない!
そう思いながらも、現実は陛下を疑わなければ辻褄が合わないような状況で…
(なにか、手掛かりはないのか…なにか……)
(亜里沙…一体、どこにいるんだ?)
二コラは無事に十二の誕生日を迎え、俺は、また自由な身に戻った。
それから俺は、毎日城を抜け出して亜里沙を探しまわった。
だが、闇雲に探し回っても、それは徒労に終わるだけだった。
亜里沙の手掛かりは、何ひとつみつからない。
それも仕方のないことだ。
亜里沙がいなくなってから時が経ち過ぎている。
それに、彼女はまるで神隠しにでもあったかのように、姿を消している。
亜里沙らしき女性が市の近くの森に行くのを見たという証言以外、誰も彼女を見た者がいないのだ。
やはり、これは国王陛下の陰謀なのだろうか?
森の中で亜里沙を待ち伏せして、どこかに連れ去り…まさか、殺害した…?
いや、国王陛下は嘘を吐かれる方ではない。
俺に、亜里沙のことは何も知らないとおっしゃったのだから…
もし、俺と亜里沙の結婚を反対されていたとしても、いくらなんでもそこまでされるはずはない。
現に亜里沙がいなくなってからも、俺に無理やり誰かと結婚させようとはされなかった。
だが…もしも、これが遺恨だとしたら…
アドルフやジゼルが死んだことを、陛下が亜里沙のせいだと思われていたら…
まさか、そんなこと…
あり得ない!陛下はそんなことをする方ではない!
そう思いながらも、現実は陛下を疑わなければ辻褄が合わないような状況で…
(なにか、手掛かりはないのか…なにか……)
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
もう彼女でいいじゃないですか
キムラましゅろう
恋愛
ある日わたしは婚約者に婚約解消を申し出た。
常にわたし以外の女を腕に絡ませている事に耐えられなくなったからだ。
幼い頃からわたしを溺愛する婚約者は婚約解消を絶対に認めないが、わたしの心は限界だった。
だからわたしは行動する。
わたしから婚約者を自由にするために。
わたしが自由を手にするために。
残酷な表現はありませんが、
性的なワードが幾つが出てきます。
苦手な方は回れ右をお願いします。
小説家になろうさんの方では
ifストーリーを投稿しております。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
あなたが望んだ、ただそれだけ
cyaru
恋愛
いつものように王城に妃教育に行ったカーメリアは王太子が侯爵令嬢と茶会をしているのを目にする。日に日に大きくなる次の教育が始まらない事に対する焦り。
国王夫妻に呼ばれ両親と共に登城すると婚約の解消を言い渡される。
カーメリアの両親はそれまでの所業が腹に据えかねていた事もあり、領地も売り払い夫人の実家のある隣国へ移住を決めた。
王太子イデオットの悪意なき本音はカーメリアの心を粉々に打ち砕いてしまった。
失意から寝込みがちになったカーメリアに追い打ちをかけるように見舞いに来た王太子イデオットとエンヴィー侯爵令嬢は更に悪意のない本音をカーメリアに浴びせた。
公爵はイデオットの態度に激昂し、処刑を覚悟で2人を叩きだしてしまった。
逃げるように移り住んだリアーノ国で静かに静養をしていたが、そこに1人の男性が現れた。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※胸糞展開ありますが、クールダウンお願いします。
心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。イラっとしたら現実に戻ってください。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
決めたのはあなたでしょう?
みおな
恋愛
ずっと好きだった人がいた。
だけど、その人は私の気持ちに応えてくれなかった。
どれだけ求めても手に入らないなら、とやっと全てを捨てる決心がつきました。
なのに、今さら好きなのは私だと?
捨てたのはあなたでしょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる