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虹企画1周年記念SS
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「ショーン、あなた、なぜここに?」
「実はね…」
その時、エルマの後ろで大きな咳払いが聞こえた。
振り向くと、そこにはカフェの店主が立ち、眉間に皺を寄せてエルマをみつめていた。
「あ…ごめんね。
あと少しで仕事が終わるから、待っててくれる?
そうそう、この近くにとても綺麗な湖があるの。
虹の湖っていうんだけど、せっかくだから見て行くと良いわよ。
私もすぐに行くから、そこで待ってて。」
「虹の…?」
今まで黙って二人の会話を聞いていたマールが、思わず身を乗り出した。
しかし、その返事を聞く前にエルマは二人の傍を離れてしまった。
「じゃあ、マール様、行きましょうか!」
店を出て、通りで虹の湖の場所を聞いてみると、その場所はすぐにわかった。
散歩に行くにはちょうど良さそうな距離だった。
「へぇ…
こんな町の近くに湖があるなんて意外やなぁ…」
「仰る通りですね。」
「なんで虹の湖やなんて言われてるんかな?
もしかして、水が虹色をしてるとか?」
「まさか…!?」
町はずれの方に歩き始めてしばらく経った頃…
二人の目の前に大きな湖が姿を現した。
「あ、あれとちゃうか?」
「そうに違いありません!
きっとあそこですよ!」
二人は湖を目指して駆け出した。
「わぁ!綺麗な湖やなぁ…
…でも、水の色は普通やな…
虹色の水やなかったんやなぁ…」
「マール様は本当にご冗談がお好きなんですね。」
ショーンはマールの言葉に微笑んだ。
「なぁ、さっきの子…
エルマ…やったよな?
あの子とは幼馴染みかなんかなん?」
「そうなんです。
子供の頃、近くに住んでて…
男の子みたいに活発な女の子だったんですよ。
僕はどちらかというと運動があまり得意ではなくて、同性の友達にそのことで馬鹿にされることもよくあったんですが、そんな僕を、エルマはいつもかばってくれました。」
「へぇ…エリナって面倒見の良い子やったんやな。
それにべっぴんさんやん!」
「僕も驚きました。
だって、その頃のエリルマときたら、髪はショートでいつもオーバーオールを着て、よく男の子に間違えられてましたからね。
それがあんなに綺麗になって…
それに彼女は外国へ行って、そのまま帰って来ないような話だったので、まさか会えるなんて思ってませんでした。
あ…マール様、雨ですよ!」
「うわっ、ほんまや。
もう、雨雲も出てへんのに、なんやねんな~!
ショーン、あの木の下で雨宿りしよ!」
「はいっ!」
二人は湖の畔の木を目指して走った。
「実はね…」
その時、エルマの後ろで大きな咳払いが聞こえた。
振り向くと、そこにはカフェの店主が立ち、眉間に皺を寄せてエルマをみつめていた。
「あ…ごめんね。
あと少しで仕事が終わるから、待っててくれる?
そうそう、この近くにとても綺麗な湖があるの。
虹の湖っていうんだけど、せっかくだから見て行くと良いわよ。
私もすぐに行くから、そこで待ってて。」
「虹の…?」
今まで黙って二人の会話を聞いていたマールが、思わず身を乗り出した。
しかし、その返事を聞く前にエルマは二人の傍を離れてしまった。
「じゃあ、マール様、行きましょうか!」
店を出て、通りで虹の湖の場所を聞いてみると、その場所はすぐにわかった。
散歩に行くにはちょうど良さそうな距離だった。
「へぇ…
こんな町の近くに湖があるなんて意外やなぁ…」
「仰る通りですね。」
「なんで虹の湖やなんて言われてるんかな?
もしかして、水が虹色をしてるとか?」
「まさか…!?」
町はずれの方に歩き始めてしばらく経った頃…
二人の目の前に大きな湖が姿を現した。
「あ、あれとちゃうか?」
「そうに違いありません!
きっとあそこですよ!」
二人は湖を目指して駆け出した。
「わぁ!綺麗な湖やなぁ…
…でも、水の色は普通やな…
虹色の水やなかったんやなぁ…」
「マール様は本当にご冗談がお好きなんですね。」
ショーンはマールの言葉に微笑んだ。
「なぁ、さっきの子…
エルマ…やったよな?
あの子とは幼馴染みかなんかなん?」
「そうなんです。
子供の頃、近くに住んでて…
男の子みたいに活発な女の子だったんですよ。
僕はどちらかというと運動があまり得意ではなくて、同性の友達にそのことで馬鹿にされることもよくあったんですが、そんな僕を、エルマはいつもかばってくれました。」
「へぇ…エリナって面倒見の良い子やったんやな。
それにべっぴんさんやん!」
「僕も驚きました。
だって、その頃のエリルマときたら、髪はショートでいつもオーバーオールを着て、よく男の子に間違えられてましたからね。
それがあんなに綺麗になって…
それに彼女は外国へ行って、そのまま帰って来ないような話だったので、まさか会えるなんて思ってませんでした。
あ…マール様、雨ですよ!」
「うわっ、ほんまや。
もう、雨雲も出てへんのに、なんやねんな~!
ショーン、あの木の下で雨宿りしよ!」
「はいっ!」
二人は湖の畔の木を目指して走った。
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