あれこれ短編集

タイトル未定

１１

「……不思議な者だな。
ウィハ族を見ても驚かないとは…」

 「ウィハ…族？」

 「まさか、ウィハ族を知らないとでも言うんじゃないだろうな。」

 「え？」

ウィハ族っていうのは、きっとこの人たちのことだとは思ったよ。
 普通の人間とは微妙に違うから。
でも、どういう種族なのか、僕には全くわからないから、仕方なく曖昧に微笑んだ。



 「信じられない。ウィハのことを知らない者がいるなんて…」

 女性は丸い目をして僕を見ていた。



 「ご、ごめんなさい。」

 「……謝ることはない。」

 「あなたがウィハの人なんですか？」

 「そうだ。この世界を作ったと言われるのがウィハ族だ。
だが、この世界にはほんの僅かしかいない。」



この世界を作った…？
それって、もしかして神様みたいな存在ってことなのかな？
でも、なんで僅かしかいないんだろう？



 「あ…腹がすいたのではないか？
 今、何か食べるものを作って来るからな。」

 「え？す、すみません…」

なんだか申し訳ないけど、僕は今動けそうにないし、お世話になるしかない。



 （あ……）



 「あの、すみません。お名前を教えていただけますか？」

 「イーガだ。そなたは？」

 「僕は、和也。福本和也っていいます。」