227 / 406
イヴの奇跡
へんてこなとなかい1
しおりを挟む
*
(あ~あ、何やってんだろ……)
そう思ったら、思わず大きなため息が漏れた。
自分自身の愚行に涙が出そうになってくる。
(去年はひきこもりでさんざんだったから、今年は外に出ただけでもましか……)
うんうん、きっとそう。
どんなことだって考え方一つで、よくも悪くも変わって来るんだ。
今年は去年よりはまし!…私は無理やり自分にそう言い聞かせた。
クリスマスの日はいつも仕事を休む。
あまりの寂しさに、いつも神経をやられてしまうから。
具合が悪くなって早退したのは何年前のことだっただろう?
あの次の年から、私は24、25と仕事を休むことにした。
忙しい時期とはいえ、普段はくそまじめに働いてるんだから、そのくらい別にたいしたことじゃない。
なんだろう…12月に入ったころから、町はいつもよりきらびやかに飾り立てられ、ジングルベルの曲が鳴り響き、行きかう人たちも妙に浮かれた顔をして…そのことがとても癇に障る。
ひとりぼっちの我が身が切なくて、ついやっかんでしまうのだろう。
それがわかっているだけに、苛立ちと悲しさはさらに倍増する。
昨年は最悪だった。
家の中にひきこもって、飲めないアルコールを飲んで酔いつぶれて…気分も体調もどうしようもないくらいに落ち込んで……
だから、今年は無理にでも外に出て明るく過ごそうと思った。
でも、次に行き先で迷った。
どこに行けば、浮かれた人たちに会わずに、少しでも気分が盛り上がるんだろう?
(そうだ!)
何日も考えた末に思い付いたのが動物園。
クリスマスイヴとはいえ、平日だ。
しかも、寒い時期だからそう人も多くないはず。
外に出て、クリスマスのことなんて気にも留めない無邪気な動物たちを見たら、少しは気持ちも癒されるんじゃないか…
そんな風に考えたんだ。
幸か不幸か、前日からしんしんと静かな雪が降り始め、当日はどこもかしこも白い色で塗り潰されていた。
(あ~あ、何やってんだろ……)
そう思ったら、思わず大きなため息が漏れた。
自分自身の愚行に涙が出そうになってくる。
(去年はひきこもりでさんざんだったから、今年は外に出ただけでもましか……)
うんうん、きっとそう。
どんなことだって考え方一つで、よくも悪くも変わって来るんだ。
今年は去年よりはまし!…私は無理やり自分にそう言い聞かせた。
クリスマスの日はいつも仕事を休む。
あまりの寂しさに、いつも神経をやられてしまうから。
具合が悪くなって早退したのは何年前のことだっただろう?
あの次の年から、私は24、25と仕事を休むことにした。
忙しい時期とはいえ、普段はくそまじめに働いてるんだから、そのくらい別にたいしたことじゃない。
なんだろう…12月に入ったころから、町はいつもよりきらびやかに飾り立てられ、ジングルベルの曲が鳴り響き、行きかう人たちも妙に浮かれた顔をして…そのことがとても癇に障る。
ひとりぼっちの我が身が切なくて、ついやっかんでしまうのだろう。
それがわかっているだけに、苛立ちと悲しさはさらに倍増する。
昨年は最悪だった。
家の中にひきこもって、飲めないアルコールを飲んで酔いつぶれて…気分も体調もどうしようもないくらいに落ち込んで……
だから、今年は無理にでも外に出て明るく過ごそうと思った。
でも、次に行き先で迷った。
どこに行けば、浮かれた人たちに会わずに、少しでも気分が盛り上がるんだろう?
(そうだ!)
何日も考えた末に思い付いたのが動物園。
クリスマスイヴとはいえ、平日だ。
しかも、寒い時期だからそう人も多くないはず。
外に出て、クリスマスのことなんて気にも留めない無邪気な動物たちを見たら、少しは気持ちも癒されるんじゃないか…
そんな風に考えたんだ。
幸か不幸か、前日からしんしんと静かな雪が降り始め、当日はどこもかしこも白い色で塗り潰されていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
RISING 〜夜明けの唄〜
Takaya
ファンタジー
戦争・紛争の収まらぬ戦乱の世で
平和への夜明けを導く者は誰だ?
其々の正義が織り成す長編ファンタジー。
〜本編あらすじ〜
広く豊かな海に囲まれ、大陸に属さず
島国として永きに渡り歴史を紡いできた
独立国家《プレジア》
此の国が、世界に其の名を馳せる事となった
背景には、世界で只一国のみ、そう此の
プレジアのみが執り行った政策がある。
其れは《鎖国政策》
外界との繋がりを遮断し自国を守るべく
百年も昔に制定された国家政策である。
そんな国もかつて繋がりを育んで来た
近隣国《バルモア》との戦争は回避出来ず。
百年の間戦争によって生まれた傷跡は
近年の自国内紛争を呼ぶ事態へと発展。
その紛争の中心となったのは紛れも無く
新しく掲げられた双つの旗と王家守護の
象徴ともされる一つの旗であった。
鎖国政策を打ち破り外界との繋がりを
再度育み、此の国の衰退を止めるべく
立ち上がった《独立師団革命軍》
異国との戦争で生まれた傷跡を活力に
革命軍の考えを異と唱え、自国の文化や
歴史を護ると決めた《護国師団反乱軍》
三百年の歴史を誇るケーニッヒ王家に仕え
毅然と正義を掲げ、自国最高の防衛戦力と
評され此れを迎え討つ《国王直下帝国軍》
乱立した隊旗を起点に止まらぬ紛争。
今プレジアは変革の時を期せずして迎える。
此の歴史の中で起こる大きな戦いは後に
《日の出戦争》と呼ばれるが此の物語は
此のどれにも属さず、己の運命に翻弄され
巻き込まれて行く一人の流浪人の物語ーー。
とあるアプリで出題されたテーマから紡がれるストーリー
砂坂よつば
ホラー
「書く習慣」というアプリから出題されるお題に沿って、セリフや行動、感情などが入りストーリーが進む為予測不可能な物語。第1弾はホラー×脱出ゲーム風でお届け!
主人公のシュウ(19歳)は目が覚めるとそこは自分の部屋ではなかった。シュウは見事脱出するのことができるのだろうか!?彼の運命は出題されるお題が握るストーリーの幕開けです!
偽物の侯爵子息は平民落ちのうえに国外追放を言い渡されたので自由に生きる。え?帰ってきてくれ?それは無理というもの
つくも茄子
ファンタジー
サビオ・パッツィーニは、魔術師の家系である名門侯爵家の次男に生まれながら魔力鑑定で『魔力無し』の判定を受けてしまう。魔力がない代わりにずば抜けて優れた頭脳を持つサビオに家族は温かく見守っていた。そんなある日、サビオが侯爵家の人間でない事が判明した。妖精の取り換えっ子だと神官は告げる。本物は家族によく似た天使のような美少年。こうしてサビオは「王家と侯爵家を謀った罪人」として国外追放されてしまった。
隣国でギルド登録したサビオは「黒曜」というギルド名で第二の人生を歩んでいく。
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~
m-kawa
ファンタジー
第5回集英社Web小説大賞、奨励賞受賞。書籍化します。
書籍化に伴い、この作品はアルファポリスから削除予定となりますので、あしからずご承知おきください。
【第七部開始】
召喚魔法陣から逃げようとした主人公は、逃げ遅れたせいで召喚に遅刻してしまう。だが他のクラスメイトと違って任意のスキルを選べるようになっていた。しかし選んだ成長率マシマシスキルは自分の得意なものが現れないスキルだったのか、召喚先の国で無職判定をされて追い出されてしまう。
一方で微妙な職業が出てしまい、肩身の狭い思いをしていたヒロインも追い出される主人公の後を追って飛び出してしまった。
だがしかし、追い出された先は平民が住まう街などではなく、危険な魔物が住まう森の中だった!
突如始まったサバイバルに、成長率マシマシスキルは果たして役に立つのか!
魔物に襲われた主人公の運命やいかに!
※小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。
※カクヨムにて先行公開中
乙女ゲームのサポートキャラなのになぜか攻略対象者とRPGシナリオ攻略しています⁉
朝陽天満
ファンタジー
乙女ゲームのサポートキャラに転生した私。シナリオ通りの学園に入学したけれど、ヒロインちゃんからは距離を置いている。サポキャラじゃなくて単なるモブとして平穏に学園生活を送るはずが、どうして私が前世やり込んでいたRPGの世界設定が出てくるの……? ここって乙女ゲームだよね⁉ 攻略対象者いるよね⁉ 何で攻略対象者が勇者になってるの⁉ 勇者設定はRPGの方で乙女ゲームには出てこないよね! それに平民枠の攻略対象者がRPGのラスボスなんだけど!色々混じってておかしい……!私、平穏無事に学園を卒業できるのかな⁉
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる