191 / 406
雨宿り
4
しおりを挟む
「じゃあ……
そうだ、マーサ!
じゃあ、この雨があがって、空に虹がかかってたら、僕とつきあってくれる?」
「虹が……?」
「そう…この恋が運命の出会いだったら、きっと虹が出ると思うから…」
「マイケルってロマンチストなのね。」
「夢見る心がなくなったら、人生、楽しくないじゃない!」
「……そうね、あなたの言う通りかもしれないわ。
わかった!
虹がかかってたら…私、あなたとつきあうことにするわ!」
やがて、雨音は少しずつ小さくなっていった。
「そろそろあがったかな?
ちょっと見てみようか…」
二人はカフェの外に出て、雨上がりの空を見上げた。
「あ…!!
マーサ!!見て、見て!あそこ!!」
マイケルが指差す先には、美しい七色の虹が架かっていた。
「やっぱり、僕の思った通りだ!
マーサは僕の運命の人なんだ!」
マイケルは、マーサの身体を抱き締めた。
「きゃ!マ、マイケルっ!
恥ずかしいわ!」
頬を赤く染めながら、マーサはもう一度空に架かる虹をみつめた。
*
「えーーーーーっ!
すごいじゃない!
それで、そのマイケルって人、どんな人?
カッコイイ?」
「う…ん。
まぁ、カッコイイ方かな。
カッコ良いっていうよりも、可愛いタイプかもしれないわ。」
「へぇ…良いなぁ…
雨宿りが縁でそんな素敵なことがあるのなら、私も雨の日は出歩かなきゃね!
ねぇ、近いうちにその人に会わせてよ!」
「ええ、良いわよ!
今度、一緒にどこかへ出かけましょう!」
マーサは、その日の出来事を親友のベシーに話した。
ベシーは、どんなことでも話せる一番の親友だった。
しばらく後、約束通り、ベシーにマイケルを紹介した。
ベシーもマイケルのことを気に入ってくれたようだった。
*
マイケルとマーサの交際は順調に進み、やがて、一年後のある雨の日…
二人は小さな教会で結婚式を挙げた。
マーサには、純白のウェディングドレスに身を包んだ自分のことが、御伽話のお姫様のように感じられた。
隣には、王子様のようなマイケルがいてくれる…
マーサの両親や親戚の者達、そしてマイケルの友達や町の人達が二人を心から祝福してくれる中、二人は永遠の愛を誓った。
「あ!マーサ、見て!
あそこ…!」
式が終わって外に出ると、雨は上がり真っ青な空には七色の虹が架かっていた。
「マーサ、あの虹は僕達がこれから幸せになれるっていう証しだね!」
「マイケルったら、欲張りね…
私は、今でも十分幸せよ!
家族がいて友達がいて、そして、こうしてあなたが傍にいてくれたら、他にほしいものなんてないの…
マイケル、これからもずっと一緒にいてくれる?」
「当たり前じゃないか…!
これからもずっと一緒にいるよ。
なんたって、君は僕の運命の人だもん。
たとえ死んでも、またすぐに生まれ変わって君の所へ行くよ!」
「マイケルったら…!」
マーサはマイケルの胸に顔を埋めた。
(私、幸せだわ……
生まれて来て、本当に良かった…)
そうだ、マーサ!
じゃあ、この雨があがって、空に虹がかかってたら、僕とつきあってくれる?」
「虹が……?」
「そう…この恋が運命の出会いだったら、きっと虹が出ると思うから…」
「マイケルってロマンチストなのね。」
「夢見る心がなくなったら、人生、楽しくないじゃない!」
「……そうね、あなたの言う通りかもしれないわ。
わかった!
虹がかかってたら…私、あなたとつきあうことにするわ!」
やがて、雨音は少しずつ小さくなっていった。
「そろそろあがったかな?
ちょっと見てみようか…」
二人はカフェの外に出て、雨上がりの空を見上げた。
「あ…!!
マーサ!!見て、見て!あそこ!!」
マイケルが指差す先には、美しい七色の虹が架かっていた。
「やっぱり、僕の思った通りだ!
マーサは僕の運命の人なんだ!」
マイケルは、マーサの身体を抱き締めた。
「きゃ!マ、マイケルっ!
恥ずかしいわ!」
頬を赤く染めながら、マーサはもう一度空に架かる虹をみつめた。
*
「えーーーーーっ!
すごいじゃない!
それで、そのマイケルって人、どんな人?
カッコイイ?」
「う…ん。
まぁ、カッコイイ方かな。
カッコ良いっていうよりも、可愛いタイプかもしれないわ。」
「へぇ…良いなぁ…
雨宿りが縁でそんな素敵なことがあるのなら、私も雨の日は出歩かなきゃね!
ねぇ、近いうちにその人に会わせてよ!」
「ええ、良いわよ!
今度、一緒にどこかへ出かけましょう!」
マーサは、その日の出来事を親友のベシーに話した。
ベシーは、どんなことでも話せる一番の親友だった。
しばらく後、約束通り、ベシーにマイケルを紹介した。
ベシーもマイケルのことを気に入ってくれたようだった。
*
マイケルとマーサの交際は順調に進み、やがて、一年後のある雨の日…
二人は小さな教会で結婚式を挙げた。
マーサには、純白のウェディングドレスに身を包んだ自分のことが、御伽話のお姫様のように感じられた。
隣には、王子様のようなマイケルがいてくれる…
マーサの両親や親戚の者達、そしてマイケルの友達や町の人達が二人を心から祝福してくれる中、二人は永遠の愛を誓った。
「あ!マーサ、見て!
あそこ…!」
式が終わって外に出ると、雨は上がり真っ青な空には七色の虹が架かっていた。
「マーサ、あの虹は僕達がこれから幸せになれるっていう証しだね!」
「マイケルったら、欲張りね…
私は、今でも十分幸せよ!
家族がいて友達がいて、そして、こうしてあなたが傍にいてくれたら、他にほしいものなんてないの…
マイケル、これからもずっと一緒にいてくれる?」
「当たり前じゃないか…!
これからもずっと一緒にいるよ。
なんたって、君は僕の運命の人だもん。
たとえ死んでも、またすぐに生まれ変わって君の所へ行くよ!」
「マイケルったら…!」
マーサはマイケルの胸に顔を埋めた。
(私、幸せだわ……
生まれて来て、本当に良かった…)
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
土下座で女神に頼まれて仕方なく転生してみた。
モンド
ファンタジー
ドジな女神が失敗を繰り返し、管理している世界がえらい事になって困っていた。
ここに来て女神は「ここまできたら最後の手段を使うしかないわ。」と言いながら、あるカードを切った。
そう、困ったら「日本人の異世界転生」と言うのが先輩女神から聞いていた、最後の手段なのだ。
しかし、どんな日本人を転生させれば良いかわからない女神は、クラスごと転生を先ず考えたが。
上司である神に許可をもらえなかった。
異世界転生は、上司である神の許可がなければ使えない手段なのだ。
そこで慌てた女神は、過去の転生記録を調べて自分の世界の環境が似ている世界の事案を探した。
「有ったこれだわ!・・何々・「引きこもりかオタクが狙い目」と言うことは・・30歳代か・・それから、・・「純粋な男か免疫のない男」・・どういうのかわからなくなったわ。」
と呟きながら最後は、
「フィーリングよね、やっぱり。」
と言い切ってカードを切ってしまった、上司の許可を得ずに。
強いのか弱いのかよく分からないその男は、女神も知らない過去があった。
そんな女神に呼ばれた男が、異世界で起こす珍道中。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
スキルを極めろ!
アルテミス
ファンタジー
第12回ファンタジー大賞 奨励賞受賞作
何処にでもいる大学生が異世界に召喚されて、スキルを極める!
神様からはスキルレベルの限界を調査して欲しいと言われ、思わず乗ってしまった。
不老で時間制限のないlv上げ。果たしてどこまでやれるのか。
異世界でジンとして生きていく。
妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる