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年明け島にようこそ!

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「おい、ユイン。
そんなにさっさと歩いて、どこかあてでもあるのか?」

「そんなもの、ある筈ないだろう。
ただ、このあたりの様子を調べているだけだ。
宝物が隠されていそうな場所はないかと思ってな。
唐突に道の真ん中に置かれているわけはないんだ。
隠しやすい場所というものがあるはずだからな。
それを探すには、まずこのあたりの地理を確かめねばならん。」

「……あっそ。」

相変わらず理屈っぽい奴だとユインの背中を疎ましげにみつめながら、フィロイは話を打ちきった。



「……なぁ、ユイン…」



しばしの沈黙の後、フォロイが静かに口を開いた。



「なんだ?もう休みたいなんて言い出すんじゃないだろうな?」

「そうじゃない。
……ただ、絶対にみつけようなって言いたかっただけだ。」

「……そんなこと、おまえに言われなくてもわかっている。」

ユインの素っ気無い返答に、フィロイは少々ふて腐れたような表情を浮かべた。



「苦しいのなら、国民からもっと税を徴収すれば良いのにな。」

「国王は国民のことを一番に考えられるお方だ。」

「……道理で、城もけっこうガタが来てるわけだ。」

「どの程度の宝かわからんが…
とにかく、リーディア国のために全力を尽くそう。」

「……そうだな。」

友の温かな想いに、フィロイの口元に小さな微笑が浮かんだ。 
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