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魔法のパイ屋さん

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「おばあちゃん!パイが出来たよ!
これで全部おしまいだよ!」

カパエルの明るい声が部屋に響いた。



「お疲れさん。
ほんによう働いてくれたな。
ありがとうよ。」

魔女は、微笑みながらカパエルの手を両手で握り締める。



「さぁ、婆さん!
これでやることはちゃんとやったんだから、このかぼちゃ頭を早く取ってくれ!」

「ふん、おまえはカパエルにばかり働かせてサボってたくせに、よくそんなことが言えたもんじゃな。」

「何言ってんだ!俺だって…」

「あぁ、うるさい、うるさい。
おまえさんの話なんぞ聞きとうないわ。
それはすぐに取ってやるから、あと少しだけ待ってな!」

そう言うと、魔女は台所へ入って行った。



「あのばばぁ、本当に約束を守るんだろうな…」

「大丈夫だよ。おばあちゃんは良い魔女さんだから、ちゃんと守ってくれるよ。」

「良い魔女ねぇ…おまえは本当に騙されやすいな。
良い魔女がこんな酷いことするかよ!
……あぁ~、それにしても本当に今回はおまえのせいでえらい目にあった…」

かぼちゃ頭のルディは、真っ黒な三角目で疎ましげにカパエルをみつめる。



「ごめんね、ルディ…」

「良いか。今回のおわびに今度からはもっとしっかり働くんだぞ。
旅の途中で食べ物がなくなるようなことがないように、もっとバリバリ働いて金を稼ぐんだ!
今回のことは、そんなことくらいじゃ水に流せるような問題じゃないが、俺は元々優しいからそれで許してやるからよ。」

「ありがとう、ルディ。
君は本当に優しいんだね。
僕、頑張るよ!頑張って一生懸命働くよ!」



「こらっ!カパエルをまるめこむんじゃない!!」

「わっっ!」

背後から突然聞こえた大きな声に、ルディは飛びあがった。
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