上 下
173 / 188

173

しおりを挟む




(はぁ~、疲れた…)

私は、ベッドに身を横たえた。
もう夜中だけど、不思議とあまり眠くは無い。



結婚式が終わり、しばらくしたら晩餐会。
周りは偉い人ばかりだし、色んな質問をされたりして、緊張して、何を食べたかも分からなかった。
きっと美味しいお料理だったんだろうなぁ。



食事が終わると、だいぶ雰囲気がくだけて飲み会みたいな感じになって、ダンスを踊る人たちがいたり、笑い声があちこちで聞こえた。
私も少しお酒をもらって、セバスチャンや他の人とダンスをした。
もちろん、ダンスもこっちに来てから習ったんだけど、簡単だし緩やかな動きだから、問題なく踊れた。



ただ、今回改めて思ったのだけど、やっぱりこの世界でも、身分の差みたいなものはあるんだね。
考えてみれば、シャール王子が私を側室に、って言ったのも、私が侍女だったからだ。
もしも私が貴族や王族なら、正室にと言われただろう。



私が異世界から来たということも言えないから、もし訊ねられたら、セバスチャンの母方の遠縁の者だと答えるように言われていた。
きっと、貴族の家系なんだろうね。
そうじゃないと、やっぱりいろいろ言われるのかな?
セバスチャンは、呪いをかけられてた時のこととか、根掘り葉掘り訊かれてたけど、嫌な顔ひとつせず答えてた。
思い出すのも辛いだろうに、本当に良く出来た人だよね。
しおりを挟む

処理中です...