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戴冠式はとても荘厳な雰囲気で…
セバスチャンの頭に王冠が載せられた時は、なんだか感動して涙がこぼれそうになった。
だって、セバスチャンは、あのせむし男の姿で今まですごく長い辛い時を過ごしてきたんだから。



(良かったね、セバスチャン…
やっと、本来の場所に戻って来られたね…)



会場内から割れんばかりの拍手が湧き上がった。
王冠を被ったセバスチャンは、自信に溢れているように見える。
私も拍手をした。
こんなに真剣に拍手をしたのは初めてだと思う。
出来ることなら、セバスチャンに抱きつきたい。
でも、出来ないから、ひたすらに手を叩いた。



おめでとう、セバスチャン!
これからは、あなたがベルガアートの真の王様だよ。



セバスチャンの視線が私を捉えた。
私が微笑むと、セバスチャンは同じように微笑んでくれた。
それだけで、心の中が満たされる。
でも、ゆっくりはしていられない。
まだ今日のスケジュールは立て込んでいる。
これからは、バルコニーでのお披露目だ。
きっともう広場には、たくさんの人々が集まっていることだろう。
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