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「大丈夫か?ミライ。」

「はい、私なら大丈夫です。」



詳しいことを話し合うことさえ出来なかったから、気持ちはまだざわざわしてたけれど、ゆっくりしている暇はなかった。
そう、今日はセバスチャンの戴冠式。
私は儀式に出る訳では無いけれど、王妃として列席する。



お風呂に入ったら、煌びやかなドレスを着せられ、髪を結いあげられる。
それだけでかなり気合いが入る。



今まではお城の中でだけ、それもせいぜい侍女さん達の前だけでの王妃だったのが、今からは大勢の人の前で王妃になるのだから。
儀式の手順はしっかり頭に入ってるはずだけど、なんだか心配だ。



「そろそろ参りましょう。」

ついに本番だ。
私は高鳴る胸を押さえながら、部屋を出た。
会場へ向かう間は、ひたすら頭の中で今日のスケジュールを復習する。



(大丈夫、きっとうまくやれる。)



会場には、既に大勢の人々が集まっていた。
私が着くと、会場がざわめき、拍手が湧き起こった。
私は顔がひきつらないように気を付けながら、作り笑いを浮かべた。
本当は微笑む余裕なんてなかったけれど、どうしていいかわからない時は微笑んでいたら良いと、セバスチャンに言われたから。



それから、しばらくして、戴冠式は始まった。
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