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「これは、マリーとローザを永遠に愛している、と書かれているのです。
きっと、それは彼の奥さんと娘さんの名前でしょう。」
私がそう言うと、ルネスさんは赤い目をこすった。
「まさか、この文字を読める方にお会い出来るなんて…」
声が震えている。
ルネスさんはかなり感動してるみたいだ。
「ルネスさん、さっきから何度か創世と言われましたが、この国が出来た頃の記録も残っているのですか?」
「当時はまだ語り部も何もいませんでしたから、とても曖昧な話ですが、あるにはあります。」
「ぜひ、教えて下さい!」
ルネスはゆっくりと頷いた。
「この世界は、最初は監獄のような所だったということです。」
「えっ!か、監獄!?」
思いがけない言葉に、私は大きく反応した。
「遥か昔、たいそう優秀なクライドという魔法使いがいたそうです。
その者は空恐ろしい程の魔力を持っており、それを恐れた他の魔法使い達が、クライドを何も無い無の世界に封じ込めたのです。」
「まさか…それがこの世界だって言うの!?」
ルネスは、深く頷く。
「その通りです。
ここは元は何もない世界だったということです。
とても強力な結界が張り巡らせてあり、クライドの魔力を持ってしても、この世界から出ることは出来なかったそうです。」
「えーー…」
ルネスはグラスの水を飲み干し、さらに水差しの水をグラスに注いだ。
きっと、それは彼の奥さんと娘さんの名前でしょう。」
私がそう言うと、ルネスさんは赤い目をこすった。
「まさか、この文字を読める方にお会い出来るなんて…」
声が震えている。
ルネスさんはかなり感動してるみたいだ。
「ルネスさん、さっきから何度か創世と言われましたが、この国が出来た頃の記録も残っているのですか?」
「当時はまだ語り部も何もいませんでしたから、とても曖昧な話ですが、あるにはあります。」
「ぜひ、教えて下さい!」
ルネスはゆっくりと頷いた。
「この世界は、最初は監獄のような所だったということです。」
「えっ!か、監獄!?」
思いがけない言葉に、私は大きく反応した。
「遥か昔、たいそう優秀なクライドという魔法使いがいたそうです。
その者は空恐ろしい程の魔力を持っており、それを恐れた他の魔法使い達が、クライドを何も無い無の世界に封じ込めたのです。」
「まさか…それがこの世界だって言うの!?」
ルネスは、深く頷く。
「その通りです。
ここは元は何もない世界だったということです。
とても強力な結界が張り巡らせてあり、クライドの魔力を持ってしても、この世界から出ることは出来なかったそうです。」
「えーー…」
ルネスはグラスの水を飲み干し、さらに水差しの水をグラスに注いだ。
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