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悲しい気持ちにはなったけど…
ここには、私以外にも異世界から連れて来られた人がいたんだと思ったら…
なんだか少し気持ちが落ち着いたような気がした。



私だけじゃないってわかったからって、今の状況が変わる訳では無いけれど…
でも、呼び出す時に死んでしまう人もいたらしいし、私や曲を作った人は、無事に着いただけでもまだ幸せなのかもしれない。



(どんな人だったのかな。
ここで、どんな人生を送ったのかな?)



「どうかしたのか?」

「え?いいえ。
あ、今の歌、もっと詳しく教えて下さい。
あ、すみません!
紙とペンを下さい!」



私は、セバスチャンにゆっくりと歌詞を話してもらい、それを紙に書き留めた。



「綺麗な文字だな。君の世界の文字か?」

「はい。私の世界の…私が住んでたのとは違う国の文字です。」

「君の世界は、国によって、文字がちがうのか?」

「ええ、そうです。」

セバスチャンは、驚いているようだった。
こっちの世界は、文字は一種類だけなのかな?



セバスチャンに聞きながら、大半の歌詞が書けた。
聞き取れない部分も前後の歌詞から考えたら、だいたいわかった。
英会話習ってて良かった~!
私は、セバスチャンに歌詞の内容を伝えた。
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