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「……どうした?話しにくいことなのか?」

「え、えっと…あ、少しお酒をいただきます。」



善は急げだ。
善なのかどうかは分からないけど、その晩話すことにした。
私が滞在している王妃の部屋の居間に、セバスチャンを呼び出した。



「あの…話というのは私についてのことなんです。
ご、ごめんなさい。
私、今まで嘘を吐いてました。」

「嘘?まさか…」

「本当です。」

私はグラスのお酒を、ぐいと飲み干した。



「私…実はこの世界の者ではないのです。」

「……なんと……」



セバスチャンは、驚いたでも、不快そうでもなく…
強いて言うなら、戸惑っているようだった。



「この世界の女性の体はあまり長持ちしないから、異世界に目をつけ、私をこちらに呼び出したのです。」

「そんな…異界渡りは、禁忌の魔法だ。
法により、固く禁止されている。」

「えっ!?そうなんですか?」



じゃあ、クラウディアや女王は、違法と知りつつ、そんなことをやったの?



「な、なぜ、禁止されているのですか?」

「そもそも、それはたいそう難しい魔法で、さらに、膨大な魔法石を使う。
更には、呼び出す途中で死んでしまう者も多くいた。
だから、禁忌とされてるんだ。」



ええっ!?それじゃあ、異界渡り?が出来る魔法使いは、他の国にもほぼいないのでは?
絶望的な状況に、私の体は震えた。
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