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「あれから、何年経ったのかわからないが、おそらくマクラーレンは、私が既に死んでいると思っているだろう。
確かに、何度も死の淵をさ迷った。
こうして生きているのが信じられない程だ。」



それは大袈裟に言ってるわけではなく、セバスチャンは本当に辛く大変な日々を過ごしていたんだろうな。



あ…そういえば、セバスチャンは子供の頃、ハーディッシュの搾り汁を飲んでたと言っていた。
ハーディッシュは、庶民には手に入らない貴重なもの。
そっか。王子だったから飲んでたんだね。
何不自由ない生活をしてた人だから、きっとめちゃくちゃ苦労したよね。
しかも、あんな醜い姿にされて…
気の毒すぎるよ。



「……どうしたのだ?」

「え?あ…」

私は知らないうちに涙を流していた。
だって、あまりにもセバスチャンが気の毒過ぎて…



「君は本当に優しいのだな。」

「そんなことはありません。」

私も自分のことを不幸だと思ってたけど、セバスチャンの不幸とは格が違うよね。
あ、私たちは仲間でもあるんだ…
マクラーレンやクラウディアに酷い目にあわされた仲間だよ。
そう思ったら、セバスチャンのことがとても身近な人のように感じられた。
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