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セバスチャン、だいぶ苦労してたんだね。
私よりもまだきついかも。
呪いだなんて、最悪だよ。



「あ、あの、お父様は?」

「再婚してしばらくしたら亡くなられた。
おそらく、毒を盛られたのではないかと思っている。」

毒殺!?
そんなことして、この世界では捕まえられないのかな?
あ、おそらくってことだから、証拠がないのかな?



(……あ)



「もしかしてその女性は魔法使いなのですか?」

「いや、そうではない。
だが、城の魔法使いとつるんでいたのだ。」



え…城って…



「あ、あの…セバスチャンさんは、当時、お城におられたのですか?」

「あぁ、そうだ。
私はベルガアート城の王子だ。」



え?
えぇ~っ!!
セバスチャンがベルガアート城の王子!?



「父上が崩御なされた後、私は自分がベルガアートの王になるのだと思っていた。
だが、マクラーレンの一味に囚われ、私は何年もの間、塔に幽閉されていた。
その間に、マクラーレンは自らがベルガアート唯一の女王となり、国を納めるようになったのだ。
そして、何年目かのある日、マクラーレンとクラウディアが来て、私は醜いせむし男に変えられた。
そして、私は国外のどこともわからない所に捨てられたのだ。」

セバスチャンの独白が終わっても、私は胸がいっぱいで何も言えなかった。
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