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初日からあからさまな意地悪が始まった。
急に足を引っ掛けられて転ばせられたり、わざと熱いお茶をかけられたり。



こんなことなら、マーガレット様についていた方がずっと良かった。
しばらくすると、精神的にもずいぶん参って来て、私は侍女をやめることを考えるようになった。
魔法使いのことは残念だけど、このままではやっていけない。
いや、待てよ、侍女をやめて、洗濯係や下働きをすれば、魔法使いとの接点はなくならないか。



(明日、メイサ様にお願いしよう。)



そう思った日に、シャール王子から、お茶の相手を所望された。
部屋には、王子と私の二人きり。



「どうだ?私の侍女の仕事には慣れたか?」

「はい。」と言うべきなんだろうけど、とても言えなかった。



「……どうした?」

「私には3番は荷が重かったようです。」

「どういうことだ?」

言いたい。
何もかもぶちまけてしまいたい。
でも、さすがにそれは言えない。
私は唇を噛み締めた。



「……なるほど。
だいたいのことはわかった。
以前も注意したことがあったのだが、まだ改善されていなかったのだな。」


王子は立ち上がり、ドアを開いた。



「全侍女をここへ!」
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