上 下
82 / 188

82

しおりを挟む




「ミライよ、この一ヶ月、本当に良く頑張った。」

「は、はい。」

「……合格だ。」

「え!?」

「そなたを侍女として採用する。」

「あ、ありがたき幸せ!感謝致します。」



やった、やった!
合格したよ!侍女になれたよ!



「そなたは今日から、マーガレット王女の第7侍女だ。」

「はい、誠心誠意、務めさせていただきます。」

「この後のことを聞いたら、もう帰って良い。
明日は休みだ。家に帰ってゆっくりしてくれば良い。」

「ありがとうございます!」








「あなたがミライ?」

メイサさんが出ていって程なくして、若いメイドさんが私の部屋に来た。



「は、はい、そうです。」

「ふ~ん…」

メイドさんは、私をじろじろ見てから…



「私はマーガレット様の第1侍女のリアン。
これ、新しい制服ね。
それから、今後も読み書きの勉強は続くらしいわ。」

「わかりました。どうもありがとうございます。」

「読み書きさえ出来ずに、侍女になれるなんて、よほど、女が足りないのね。」

それって、嫌味だよね?
でも、第1侍女ってことは私より偉いんだから、ここは我慢しなきゃいけないよね?
そう思って、私は無理して微笑んだ。
しおりを挟む

処理中です...