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「ふむふむ。良い、実に良い。
そなた、何が出来る?」

「え……」



どうしよう?
英会話とピアノだなんて言えないよね。



「どうした?」

「あ~…しょ、書類の整理、とか…」

「書類?書付けのことか?
そういうことは学者がするものだ。
おかしなことを言う者だな。」

「す、すみません。」

こんな時は笑って誤魔化すしかない。



「よし、わかった。
そなたは侍女になるのだ。
メイサにこの者を指導させよ。
立派な侍女にするのだ。」

「かしこまりました。」



一応、雇ってもらえるのかな?
侍女って、メイドさんのことだよね?



それから、私はまた違う部屋に連れていかれた。
椅子とテーブルとベッドだけがある、小さな部屋だ。
10分くらいすると、中年の女性が部屋に来た。
なんだか、怖そうな人だ。



「そなたがミライか?」

「は、はい!」

「私はメイサ。
これから約一月、私がそなたに侍女の仕事を叩き込む。
ちゃんと覚えられたなら、そなたはこの城の侍女として雇われるが、出来が悪かったら、すぐに追い出す。
この一月、給金は出ないが、食べるものや必要なものはすべて与える。
それから、住むのはこの部屋だ。
正式な侍女となれば、もっと広い部屋に行くこともあるだろう。
すべては、そなたの努力次第だ。
何か聞きたいことはあるか?」

「い、いいえ。」

強い口調でまくしたてられて、私は何も言うことが出来なかった。
でも、とりあえずは良かった。
研修が受けられるんだね。
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