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「そうか、まぁ、焦ることは無いさ。
ゆっくり探せば良い。」

「うん、そうだね。」

私は炒めた肉を頬張った。



ダグは、早速、荷運びの仕事がみつかったらしい。
私はお城に行ったことは言わなかった。



私は明日またお城に行くつもりだ。
今度は女性の服装をして。
あのおばさんは、女性なら仕事はあると言ってたからね。
私はなんとしても、あのお城の魔法使いに会いたい。
そのためには、やはり、お城で働くのが一番だと思うから。



「また、明日もこの店で一緒に飯を食おう。」

「でも、僕はまだ仕事がみつかってないから、明日はどうなるかわからないよ。」

「そうか。じゃあ、また仕事が決まったら、家に手紙でも入れといてくれよ。」

「うん、わかった。」



その日は、初めて自分の家にひとりで泊まることになった。
以前は一人暮らしをしていたけれど、最近は誰かと一緒のことが多かったから、なんとなく心細い気がした。



ならず者の町で揃えた女性用の普段着を取り出して、着てみた。



(ピッタリだ。)



セバスチャン、私のサイズがよくわかったね。
木綿みたいな茶色の生地で作られたドレスは、裾が足元まである。
この世界では、女性が足を出したりはしない。
デザインもほぼ同じようなものだ。
身分の高い人達のドレスは、絹みたいな光沢があってしなやかな生地で作られている。
刺繍がなされてたり、レースや小さな石が縫い付けられた繊細なものだ。
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