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「危ない所だったな。」

セバスチャンは気付いているのか、それとも…



「あの……」

「何をやったんだ?」

「え……」

やっぱり、彼は気付いてる。
彼らが私を探していることを。



「あ、あの…ぼ、僕…」

「……薄暗くなかったら、女だとすぐにバレるぜ。」

「えっ!」

「声がそんなだから、少年だと思ってた。」

出来るだけ低い声で話してたつもりだったけど、だめだったか。



「……どうして助けてくれたんですか?」

「さぁな。あんたは、俺とまともに話してくれたから…かもしれないな。
良かったら、あんたの事情を話してくれないか?
出会ったばかりで信用なんか出来ないかもしれないが、話してくれたら、俺にもなにか力になれることがあるかもしれない。」

「……ありがとうございます。」

確かに、その申し出は嬉しいよ。
それに、彼は良い人だっていう印象もある。
でも、話して大丈夫だろうか?
たとえば、私を女王に引き渡したら、お金がもらえるかもしれない。
彼もお金は持って無さそうだから、お金に目が眩んでも不思議は無い。
或いは、私を手元において自分の女にしようとするかもしれない。
そんなの絶対無理だ!
人を見掛けで判断するのは良くないことだけど、考えただけでもぞっとする。



でも、私にはこの世界で頼れる人はひとりもいない。



(どうしよう?)



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