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「あんたはどこに住んでたんだ?」

「え……」

何て言おう?
っていうか、地名もわからない。



「あ、また余計なことを訊いてしまったな。
普段、あんまり人と話すことがないから、つい…すまなかった。」

「別に隠したいってわけじゃありません。
僕は、ベルガアート城の近くの…」

「えっ!王都に住んでいたのか!?」

「え、は、はい。まぁ……」



王都…
そうだよね。
女王様がいるんだもんね。
きっと、あそこはこの国の大都会なんだね。



「やっぱり、貴族の屋敷で働いてたのか?」

「は、はい。実はそうなんです。」

「それなら、給金も待遇も良かっただろうに、なぜ、こんな所へ……」

「えっと、それにはちょっと事情がありまして……」

「そりゃそうだよな。
余程の事情が無けりゃ、こんな所に来るわけはないよな。
だが、出来れば戻った方が良い。
どこへ行っても、王都程の生活は出来ないぜ。」

「は、はい、そうですね。」



話し相手くらいはしてあげたいような気はするけれど、あれこれ訊かれたらボロが出そうで危ないな。



「すみません。疲れたせいか、眠くなってしまいました。」

会話を終わらせるために、私は嘘を吐いた。
本当は全然眠くなんか無かったのに。
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