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「わぁ、だいぶ深い森なんだね。」

「はい、ハーディッシュはこのあたりでしか採れないのです。」



なるほど。ハーディッシュの都合でここに来たんだね。



「このあたりは何もなさそうだね。」

「はい、そうですね。
ここをずっと行くと町がありますが、ならず者達が住む危険な町ですから、絶対に近
寄ってはなりません。」

「へぇ、そうなんだ。」



ならず者の町か。
逃げ込むには良いのか、良くないのか。
なんか怖いけど、逆にうまく隠れれば、逃げ切れそうな気もする。
メイドさんの話によると、このあたりには、そのならず者達の町くらいしかないみたいだ。
となれば、やはりそこしかないか。
そんな危ない所なら、変装でもした方が良いかな。
そうでなくても、今着せられてる長いドレスは走りにくい。
男物の服をなんとかみつけよう。
お屋敷にあるかなぁ?



ハーディッシュのせいなのか、確かにお腹は空くけれど、体は元気だ。
飲むことにもすっかり慣れた。
とはいえ、そのまんまだったら、飲めないかもしれないけど。
ならず者の町については、方角しかわからなかった。
あんまりしつこく聞いてたら、いなくなった後、探されるかもしれないから、詳しくは訊けない。
夜はこのあたりは真っ暗だから、気をつけて走らないと。
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