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決意

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「……サマンサ……ルークがオルジェスと一緒に…何といったか、火事で亡くなった君の弟の墓に参ったことを知っているか?」

 「えっ!?ルークがコージーのお墓に…!?」

 驚くサマンサに、ベルナールは哀しげな顔をして頷いた。



 「……やはり、君にはそういうことは言っていないのだな。
あいつは、おそらくコージーの死を自分のせいだと思い込み、苦しんでいることと思う。
 確かに、そうかもしれない。
ルークがあんなことをしなければ、コージーは死なずに済んだのかもしれない…
だが、サマンサ…わかってくれ。
ルークはただ親の仇を討ったに過ぎないんだ。
まだ二十歳にもならないうちに殺された母親の仇と、ケイトと愛し合っていたオルジェの仇を…」

ベルナールは片手で頭を押さえ、苦しげに顔を歪めて首を振る。



 「ル…ルークのお母さんはそんなに若かったんですか!?」

 「そうだ…ちょうど、今の君やルークと同じくらいか…
サマンサ、考えてみたまえ。
 愛する人を殺され、三人の男に辱めを受けた上に、それで出来た子供を悪魔の器にされると知ったらどんな気持ちになるだろう…
ルークの母親、ケイトはそれを苦に自殺したということだが、それもはっきりとはわからない。
 本当にそうだったかもしれないし……或いはトレルやランディ達が自殺に見せかけて…」

 「や、やめて!ベルナールさん!
そ、そんな恐ろしいこと…」

サマンサは感情的な声でそう言うと、顔を覆って俯いた。



 「すまなかった…
トレルはともかく、ランディはそんなワルじゃない…
そうだ、きっとケイトが殺されたにしても、ランディは知らなかったのではないかと思うよ。
……そんなことよりも、サマンサ…どうか、コージーの死をルークのせいだとは思わないでくれ。
あいつは…あいつは……」

 「わかってます、ベルナールさん!
……そりゃあ、コージーのことは悲しいことですが…
私、コージーの死がルークのせいだなんてこれっぽっちも思ってません。
ただ、心配なだけです。
そんな大きな心の負担を抱えていると知って…ルークがとても可哀想で…」

 「……ありがとう、サマンサ。
どうかルークのことを頼む。
 辛いかもしれないが…あいつを救えるのは君だけなんだ。
 私も影ながら君を支えるから…どうか、よろしく頼む。」

 真っ直ぐにサマンサをみつめ、両手を握り締めるベルナールに、サマンサは黙って深く頷いた。
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