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決意

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 「ほら見ろ。
どうせそんなことだろうと思った。
しばらく、ルークの好きなようにさせてやると良い。
じきに気も晴れて帰って来るさ。」

 「ルークの奴…心配かけやがって…」

 女の店に行くと、数日間ルークらしき男が泊まり込んでいたことがわかった。
その後どこに行ったかはわからなかったが、馬車に乗りこむルークらしき男の情報も掴んだことから、今のルークは憂さ晴らしのために遊び歩いているのだと思われた。



 「……せっかく苦労して狩りの相手を探して来たというのに、これじゃあ、ルークが戻るまで出掛けるわけにはいかんな…」

 「やっぱりそうだったのか。」

 「男の好きな上級悪魔となると、これがなかなかみつからなくてな。」

 「また男か…俺は女の方が嬉しいんだけどな…」

オルジェスの顔に苦い笑みが浮かんだ。



 「しかし、男の悪魔の方がどうしても力が強い。
ルキティア並みの女悪魔はめったにみつからん。
どうせ、食うなら力のある者を選んだ方が得策だからな。
 気が進まないなら良いんだぞ。私だけでやる。」

 「俺もやるよ!
あんただけを危険な目に遭わせるわけにはいかない。
 俺…強い悪魔をたくさん狩って、あんたをもっと強くしてやりたいんだ!
 復讐のためもあるが、それだけじゃない。
あんたには…そうなれる素質があると思うんだ。
 誰もが平伏す、最強の悪魔になれると思う…!」

オルジェスの言葉に熱がこもり、まっすぐな瞳でベルナールをみつめた。
それは心の底からベルナールを信じ崇拝する瞳だった。



 「……ありがとう、オルジェス…
私の可愛い弟よ…」

ベルナールは、オルジェスの身体を優しく抱き締める。



 (当然だ…
私は悪魔の中の悪魔、ルシファーなのだ。
 今度こそ、最強の力を取り戻してみせる…!
 私に勝る悪魔等、この世に存在しないということを知らしめてやる!)

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