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決意

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「……ルーク……おまえは人殺しなんかじゃない。」

 思いがけないオルジェスの言葉に、ルークは不意に顔を上げた。



 「な、何を……で、でも、僕はランディを……」

 「俺は、さっきこの目で確かめて来たんだ。」

 「えっ!?……確かめるって…」

ルークは、オルジェスを驚いたような顔でみつめ、返事を待つ。



 「あの町から馬車ですぐの場所で、女のいる店があるような町といったら、コーカスかゲレッドしかない。
その思って、まずはコーカスの酒場に行ってちょっと聞きこんだら、最近、中年の男が何者に瀕死の重傷を負わされ、しかもまだその犯人はみつかっていないという話を聞いた。
その男は診療所に入院してるってことだったから行ってみたんだが、診療所の前で早速サマンサを見かけた。
 中に忍び込んだら、案の定、ランディが入院していた。
……あいつ、思ったよりも元気そうだったぜ。」

 「ほ、本当なの!
 本当に父…いや、ランディは生きてたの!?」

 「あぁ、本当だ。俺はこの目ではっきり見たって言っただろ。」

 「そ、そう…良かっ……あ……」

ルークは慌てて口許を押さえ、そっと俯く。



 「良かったな、ルーク。
だから、おまえは人殺しなんかじゃないんだ。
 安心しろ…」

オルジェスはそう言って、ルークの肩に優しく手を置いた。



 「ぼ、僕は何もそんなこと……」

 「……わかってる。
な、ルーク……コージーの墓に行ってみないか?
きっと、今だったらみんな診療所にいるだろうから家には…あ、家は燃えちまったんだよな?
とにかく、今ならきっとサーリックには誰もいないだろうから。」

 「……コージーの墓…
 ……そうだね!オルジェス、連れてって!
 今すぐにコージーの墓に…!」

ルークは振り向き、オルジェスの両腕を掴んで懇願した。



 「今はまずい。
 誰かに観られたらやばいだろ。
もう少し薄暗くなってからにしよう。な。」

ルークは、オルジェスの言葉に黙って頷いた。
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