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復讐の連鎖
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「ベルナール!昨夜は来てくれなかったから心配したよ。
まさか、オルジェスに何かあったんじゃ…」
ルークは、ベルナールに不安げな視線を向けた。
「心配をかけてすまなかったな…
オルジェスは無事だ…
ただ、酷く痛めつけられてるから、ここへはもうしばらくしてから連れて帰る。
…それで、おまえの方はどうだったんだ?
うまくいったのか?」
「オルジェスは本当に無事なんだね!?」
「あぁ、傷は深いが命には別状はない。
心配せずともじきに良くなる。」
「そう…良かった…
でも、ベルナールも凄く疲れてるみたいだけど、なにかあったの?」
ベルナールは俯き失笑する。
「これは女と遊びすぎただけのことだ。
特別しつこい女でな…」
「女って……まさか、ルキティアって女とやったのかい?」
「……噂通りの女だった…
いや、それ以上だな。
掘り出し物をみつけた気分だ。」
「そんなに良かったの?」
ベルナールはその問いには答えず、ただ黙って微笑むだけだった。
「それはそうとルーク、おまえは昨夜で女二十人をこなしたのだな?」
「うん、いつもの店の下働きをしてるメアリーって子なんだ。」
「なるほど。いつもとは違うというのはそういうことか…
無理にやったのか?」
「違うよ。
店に行く度に、優しい言葉をかけて手懐ずけておいたんだ。
ベルナールが教えてくれただろう?
先のことを考えて行動しろって。」
「……おまえも成長したものだな。
そういうことまで考えられるようになったとは…」
ルークは誉められた子供のような笑みを浮かべる。
「ちょっと時間はかかったけど、諦めずに頑張ったんだ。
他の男には渡したくない…とか、金を貯めて君を迎えに行く…とか、思いつく限りの言葉を並べ立ててね…そしたら、やっとおちた。
商売女ならあんなに苦労することはないんだけど、今後のためにと思って頑張ったんだ。」
ルークの子供っぽい話しぶりに、ベルナールは思わず噴き出した。
「ベルナール…僕、何かおかしなこと言った?」
「そうじゃないさ…おまえの成長ぶりが嬉しくて、つい顔が綻んでしまったのだ。
良くやった。
本当に良くやった。
おまえの勝ちだ。
ルーク、おまえはオルジェスに勝ったんだ!」
ルークは奇声を上げ、ベルナールの胸に飛びこんだ。
「ベルナール!昨夜は来てくれなかったから心配したよ。
まさか、オルジェスに何かあったんじゃ…」
ルークは、ベルナールに不安げな視線を向けた。
「心配をかけてすまなかったな…
オルジェスは無事だ…
ただ、酷く痛めつけられてるから、ここへはもうしばらくしてから連れて帰る。
…それで、おまえの方はどうだったんだ?
うまくいったのか?」
「オルジェスは本当に無事なんだね!?」
「あぁ、傷は深いが命には別状はない。
心配せずともじきに良くなる。」
「そう…良かった…
でも、ベルナールも凄く疲れてるみたいだけど、なにかあったの?」
ベルナールは俯き失笑する。
「これは女と遊びすぎただけのことだ。
特別しつこい女でな…」
「女って……まさか、ルキティアって女とやったのかい?」
「……噂通りの女だった…
いや、それ以上だな。
掘り出し物をみつけた気分だ。」
「そんなに良かったの?」
ベルナールはその問いには答えず、ただ黙って微笑むだけだった。
「それはそうとルーク、おまえは昨夜で女二十人をこなしたのだな?」
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「なるほど。いつもとは違うというのはそういうことか…
無理にやったのか?」
「違うよ。
店に行く度に、優しい言葉をかけて手懐ずけておいたんだ。
ベルナールが教えてくれただろう?
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「……おまえも成長したものだな。
そういうことまで考えられるようになったとは…」
ルークは誉められた子供のような笑みを浮かべる。
「ちょっと時間はかかったけど、諦めずに頑張ったんだ。
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「ベルナール…僕、何かおかしなこと言った?」
「そうじゃないさ…おまえの成長ぶりが嬉しくて、つい顔が綻んでしまったのだ。
良くやった。
本当に良くやった。
おまえの勝ちだ。
ルーク、おまえはオルジェスに勝ったんだ!」
ルークは奇声を上げ、ベルナールの胸に飛びこんだ。
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