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ゲームの始まり

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「そ…そんな、まさか…あのオルジェスが…」

「……あの子は母親に似て気性の荒い所がある…
この町を出ていく前にもいろいろと問題を起こしてくれてな…
もやもやした気持ちをサマンサにぶつけてしまったのかもしれん…」

「そんな……」

「そうですよ、トレル!
まだそうだと決まった訳じゃありません。」

「いや…残念ながらきっとそうだ。
ルシファーがルークの身体を乗っ取ったとしたら…
サマンサが生きていることはあるまい…
奴がどれ程冷酷な悪魔かということは、あんた達も十分知ってるはずだ…
サマンサを襲うくらいで満足する奴ではないんだ…だから、奴ではないと思う。
ルークをそそのかしたのはきっとオルジェスだ。
ランディ…本当に申し訳ないことをしてしまった…すまない…
詫びて許してもらえるようなことではないが…本当にすまない…」



トレルのその話には説得力があった。

(トレルの言う通りだ…
ルシファーはそんな生易しい奴ではない…)

ルシファーがルークの身体を乗っ取っていたのなら、トレルの言う通り、サマンサを傷付けるだけではすまなかっただろう。
サマンサが殺されなかったことは幸いだったが、オルジェスに同情したのかそそのかされたのかはわからないが、ルークが自らの意思でサマンサを襲ったと考えると、ランディはやり場のない憤りに押し潰されそうな思いだった。



「畜生!!」

ランディは、握り拳でテーブルを叩いた。



「トレル、休んだ方が良いですよ。」

肩で息をするトレルを見かね、イアンが声をかけた。



「俺なら大丈夫だ…」

「トレル…無理するな。
何かあったら、あんたにもいろいろとやってもらわないといけないかもしれん。
それまでは、休んでいてくれ。」

ランディにもそう言われ、トレルはようやく部屋へ戻った。
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