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運命の出会い

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「頼む…ジェローム…
あなたの助けが必要なんだ…
あなただけが頼りだ…愛している、ジェローム…」

ベルナールは、ジェロームの耳もとで吐息交じりに囁いた。



「この唇はずるい唇だな…
自分の利益のためなら、どんなことでも言うのだから…」

「嘘ではない…」

「そんなことを言わずとも、私はいくらでも協力するぞ…
貴公が私の望むものを与えてくれるのなら、な…」

ベルナールは、まいったとばかりに微笑みながら首を振る。
そして、ボタンに手をかけ、それを一つずつゆっくりとはずしていく…



「あれが最初で最後ではなかったのか?」

「…気が変わったのだ。」

「…それは賢明なことだな…
私の可愛いベルナール…」









「ジェローム……
もうこのくらいで許してくれ…いくらなんでも死んでしまうぞ…」

汗にまみれ、大きく肩で呼吸をするベルナールが小さな声で呟いた。



「よく言うな…
貴公の身体は、このくらいで壊れるようなやわなものではあるまい…」

「悪魔の身体を手に入れてから、あなたはさらに強くなっている…
……!まさか、あなたが以前悪魔を殺したというのは…」

ジェロームはその言葉に肩を震わせ、懸命に笑いを噛み殺す。



「なんだ、知っていたのか…あぁ、その通りだ。
悪魔だから、多少無茶をしても大丈夫だと思ったのだ…
ところが、まだ若い悪魔だったせいか、意外にあっさりと逝ってしまってな…」

「……あなたという人は…本当に恐ろしい男だ…
まさか、悪魔をそんな方法で殺していたとはな…」

「殺すつもりはなかったのだ。
とても美しい悪魔だったからな。
悪魔があんなに脆いと知っていたら、もっと優しくしてやったものを…全く惜しい事をした。
……ところで、なぜ、私の呼び方を変えた?
なぜ急に『あなた』と呼ぶ?」

「もっと仲良くなりたいからだ…
これからは二人っきりの時も、皆の前にいる時のように『おまえ』と呼んでもらって結構だ。
いや、そう呼んで欲しい…」

ベルナールは、ジェロームに身体を寄せその首に腕を回した。



「……目的のためには手段は選ばんということか…
まぁ、良い…
おまえがそう望むのなら、そうしよう…」
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