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運命の出会い

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それから二週間程が経ったある日、シャンプティエの使いだと言ってロクシーが唐突に屋敷を訪れた。



「あいつが一人でここへ来るのは初めてだ。」

「あの話で来たということか…」

ジェロームはゆっくりと頷いた。



「ジェローム様、ご機嫌麗しゅう存じます。」

「今日は、おまえ一人か…?
シャンプティエは一緒ではないのか?」

「え…ええ…主人は今日はでかけておりまして…
あの…ベルナール様は先日のサファイアはお気に召されたでしょうか?」

「私が時間をかけて選んだものを、ベルナールが気に入らないとでも思ったのか?」

「め…め、滅相もございません!!
そ、そういう意味では…た、ただ、あの宝石は私が仕入れて来たものでしたので、そ、それで、あの…少し気になりまして…」

ロクシーは、ジェロームの気迫に青い顔をして身体を震わせる。



「……そういうことか…それなら心配はいらん。
ベルナールは、この通り、肌身離さず身につけておる。」

ジェロームはベルナールの手を取り、前に差し出した。



「はい、とても気に入っています。」

「そうか…他にもほしいものがあればいくらでも買ってやるぞ。
ブレスレットでもネックレスでも何でもな…」

ジェロームは、ベルナールの髪をなで、まるでロクシーに見せ付けるようにその耳たぶに熱いキスをする。



「今日は、宝石を持って来ておらんのか?」

「え……?」

「おまえは耳が遠いのか?!
今日は宝石はもって来ておらんのかと尋ねておるのだ!」

ロクシーの方に向き直ったジェロームの怒声が響く。



「も、申し訳ありません!す、少しですが持って来ております。」

「そうか…
ベルナール…私は少し用があるのだ。
その間、この者に宝石でも見せてもらえ。」

「はい。」

「気に入ったものがあれば、どれでも好きなだけ選ぶが良い。」

「ありがとうございます、ジェローム様。」

ジェロームは、ベルナールと長い口付けを交わした後、ゆっくりと部屋を出て行った。
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