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運命の出会い

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「残念だな…
これが最初で最後だとは…」

ジェロームが片肘を着き、ベルナールの顔を見下ろしながらそっと呟いた。



「何を…
そなたは近いうちに永遠の命を手に入れるのだ。
長い年月の間には、もっと美しく愉しい玩具にいくらでも巡り合えるさ…」

「そうだと良いのだがな…」

ジェロームは、ほつれたベルナールの前髪を優しく撫でつけた。



「……さて…これからは忙しくなる。
そろそろ起きるか…」

「もう少しくらい良いではないか…」

起きあがろうとするベルナールの肩にジェロームが腕を回した。



「いや…私にはやらなければならないことがあるのでな…」

ジェロームは、微笑みながらそう語るベルナールの瞳の中に強い決意を感じ渋々腕をひいた。



「……冷たい男だな…」

「そなた程ではないと思うが…」

二人は顔を見合わせて微笑んだ。







朝食の場に、予期せぬベルナールが現れたことで、ジェロームの家の使用人達は目を丸くして驚いた。



「この通り、ベルナールは元気になった。
皆には世話をかけたが、これからはもうその必要はない…」

ジェロームに寄り添うベルナールに使用人達の羨望の眼差しが集まる。



「これから私は使用人達に苛められそうだな…」

ベルナールはジェロームの耳元でそっと囁く。



「そんなものに屈する貴公ではあるまい。
ただ…皆は私がベルナールのことを気に入っていたことはよく知っている。
それゆえ、使用人達の前ではそれなりの態度を見せてくれよ。」

「あぁ…わかっている…
……それで、これからのことだが…」

「私にふさわしい悪魔探しだな。
それには少しあてがある…
すぐに連絡を取るから、待っていてくれ。」







次の日、ジェロームの屋敷をシャンプティエという宝石商が訪れた。



「ベルナール、あれだ…」

「あぁ、すぐにわかった…」

扉の隙間からのぞく二人の視線は、シャンプティエの隣の男性に注がれた。
やや陰気な印象はあるが、どこにでもいそうなごく普通の男だ。
黒い髪に黒い瞳、中肉中背で年の頃は三十半ばと言った所だ。
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