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運命の出会い

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「ルシファー…良い名だ…」

(して、ジェローム…
そなたは私との取引は断ると言うのか…?)

「断ると言っているのではない…
ただ、条件を少し変えたいだけだ…」

(条件をな…
では、そなたの望む条件をお聞かせいただこうか…)

「…ルシファー…
貴公は、悪魔は悪魔でも相当に力を持った悪魔だとお見受けする…
そうでなければ、リュタン等が手を出さずともコンジュラシオンで十分片が付くのだからな。
しかも、宝石に封じこめられたということは、リュタンでさえも貴公を倒すことは出来なかったということ…
……違うか?」

(ジェローム…
そなたは、美しいだけではなく頭もとても切れるのだな。
その通りだ…
そなたの条件を聞くのが恐ろしくなって来たよ…)

ジェロームはその言葉にくすりと笑う…



「よくそんなことを…
私の望み等、貴公にとっては容易いことだと思うぞ。
私は…永遠の命がほしい…
ただ、それだけだ…」

(ならば、その身体を私と共有すれば良いではないか。
そうすれば、その身体はいつまでも…)

「私の身体は、私だけのものだ。
これだけは、貴公にも分け与えることは出来ぬ。」

(しかし、人間が永遠の命を持つためには…)

「ルシファー…
私にふさわしい高位の悪魔を私の身体に共生させてほしいのだ…」

その言葉に、黒い宝石は一瞬熱さを増した。




(なぜ?なぜだ?!
私には貸せぬその身体を、なぜ、他の悪魔に…)

「そんなことがわからんのか?
簡単なことだ…悪魔を私に宿らせてから、その悪魔の意識を貴公に始末してほしいのだ。
そうすれば、私は悪魔同様に永遠の命を手にする事が出来るではないか…」

事も無げにそう呟くジェロームは、黒い宝石を優しく撫でた。



(なんと……!)

「……そう驚かれることはないではないか。
そのくらいのこと…貴公には出来ないことではなかろう。」

(…ずいぶんと物騒なことを言うものだ…
つまり、私に同族を騙して殺せと…
……そう言うのだな?)

「何を、今更…
貴公は同族を殺めることに罪悪感を抱くような者ではなかろう…」



ルシファーの高笑いが響く…

(何もかもお見通し…とでもいった所か…
なぜ、そう思った?)

「やはりそうか…私は動物並みに勘が良くてな…
……それで……貴公はこの条件を飲むか?それとも…」

 
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