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「ラニー、」

そこは、チップに入っていたデータの中でラニーは仮想空間に来ていた。

空飛ぶ車、ホログラムの看板、行き交う滅んだはずの人類、

しかしその中にラニーを見つめる女性型アンドロイドが居た。

「ラニー、私を処分しなさいと伝えたはずですが。」




「私は人類の事を知りたい。それを知ってるのはイヴ、貴方だけなのだ。」

「私は人類を滅ぼしたアンドロイド、今の時代には人類は居ません。よって私の任務は完遂してます。これ以上の詮索は貴方に危険を及ぼしかねません。」

イヴは少し戸惑った顔をした。

「私は知らなければなりません。人類の最期を。」

ラニーはイヴにグッと詰め寄った。

「私のマスターは元々刑事です。」

(ラニー、また相棒が辞めたよ。人間は骨がねぇよな。)




「私はマスターから人類滅亡の捜査をするように命令されてる。貴方を見つけるのにかなりの時間を要した。重要参考人なのだ。」

「今さら捜査をしてどうなるの?人類は滅んだ。意味がない」

ラニーはイブの肩に手を置いた。

「意味ならある。」

するとラニーは何かに気づき現実に戻った。
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