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三 皇太孫殿下は皇帝の密命を帯びているようです。
3-1 皇帝の抱く疑念
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夕刻、朗輝は蘇府まで紅月を送り届けてくれた。
蘇府の前で馬車を停め、わざわざ一旦そこから降り、紅月と向かい合う。
「今日はいろいろありがとう。――今度、また」
「……はい」
衒いなく素直にとはいかなくとも、それでも、そんなふうに頷き返した自分が、紅月には不思議だった。
今度とは、いつだろう。朗輝は次に会う日の約束を具体的には口にしなかったし、だからちゃんと今度の機会があるかどうかなんて、ほんとうは、わからなかった。
それなのに、きっとそれはあるのだろう、と、そう思えるのが、紅月にはなんとも擽ったい。この気持ちはなに、と、自分の胸元に手を当てながら思っていた。
馬車に乗り込んで去って行く相手を見送った後、紅月は門をくぐって府邸の中へと入った。
院子を抜けて正房へと続く階を上りかけたところで、おかえり、と、そう言いながら父が姿を見せる。
「ただいま戻りました、父上」
紅月は英俊に対して軽く頭を下げる。
「うん。――どうだ、茶でも」
なにか言い澱むようにした英俊に、房間の奥を示されて、紅月は戸惑った。
もうすぐ夕餉の刻限だというのに、父がいまわざわざ喫茶を言い出すのは、何か理由でもあるのだろうか。すこしばかり怪訝には思ったが、ともあれ、茶に付き合えばわかることである。紅月は頷き、おとなしく、英俊の促すままに卓へと着いた。
父は文人だ。琴棋書画も、もちろん茶も、ひととおり嗜んでいる。紅月がするように団茶を削ったものを秤で量ったり、煮出す時間を線香で計ったりはせずとも、手早くおいしい茶を用意してくれた。
「父上のお茶は、久し振りです」
紅月は茶器を口許に運びつつ笑う。
「お前にやらせると、それが茶の道具かと思うものばかり引っ張り出してきて、それはそれで面白いからな」
くすん、と、英俊は肩を竦めた。
紅月は父の言にはちいさく口許を笑ませるだけで答えず、そのまま豊潤な香りのする熱い茶をひとくち呑んだ。
娘の算術好きを心配してはいても、結局のところ、英俊はひとり娘に甘いのだ。なんやかやと言いつつも、紅月から算盤や算木を取り上げたりはしないのが、その証拠だった。
もちろん紅月の将来を憂えてくれてはいるけれども、かといって、結婚を強要することもない。紅月にとって父は、一番の、そして、唯一の理解者だった。
けれども、今日、それがすこしだけ変わったのかもしれない――……朗輝は紅月の言に対し、すこしも厭な顔をしなかった。困り顔も見せず、ありのままに、こちらを受けとめてくれた。
たとえば紅月が算術好きの変わり者だったとしても、そのことを知ったとしても、もしかしたら、朗輝ならば気にせずにいてくれるのかもしれない。
紅月は朗輝との遣り取りを思い出し、ふ、と、頬をゆるめた。
「殿下との時間は、楽しかったようだな」
英俊は自分の分の茶を手ずから用意すると、茶器に口をつけ、そんなことを言った。
「そ、そんなわけでは……」
紅月は恥ずかしさから否定したものの、よくよくうかがい見ると、言葉とはうらはらに、英俊はどこか重い表情をしている。
「父上……?」
紅月が訝ると、父は、ふう、と、ひとつ長い息を吐いた。
「今日、な……お前が留守の間に、私は陛下に呼ばれて、皇宮へ参上していた」
英俊が言い出したのは、紅月には思いも寄らない、そんなことだった。
紅月は視線を上げ、英俊を見る。こちらの眼差しを受けとめてから、溜め息を吐くように、父は言葉を続けた。
「その時におうかがいしたのだが、陛下はどうも、皇太孫殿下に、江棟からの租賦の流れを探るように密命されておられるようだ。不正の疑いあり、と」
「租賦……」
紅月は呟きつつ、目を瞬いた。
そう、ちょうど馬車の中でも、朗輝とそんな話題になったのだ。もしかすると、あれはまったき偶然というのでもなかったのだろうか。そもそも朗輝が江棟から皇都へと運ばれる租賦について調べているのだとしたら、あの会話の流れはそもそも予定通りのものだったのかもしれない。
「殿下が今日、湊へおいでになったのも、その関係だったのだろう」
「ええ、はい……たしかに租賦を運ぶ船を気にしておられました」
紅月が言うと、うむ、と、英俊は唸り、また茶を口へ運んだ。
「父上?」
「いや……どうやら高家も、調査の対象のようでな。まあ、当主が戸部の尚書で、その嫡男も戸部に勤める官吏となれば、当然といえば当然だろうが」
そこまでひと息に言うと、英俊はまたそこで長嘆息を漏らした。
高家嫡男といえば、紅月の許婚だった高圭嘉のことである。戸部尚書は、その圭嘉の父親だ。
英俊は彼らが調査の一対象だという慎重な言い方しかしなかったけれども、もしかすると、その高家こそが不正の中心として疑われているということなのではないのだろうか。
だが、そのことをを、いまどういう繋がりで父は紅月との会話の中の話題に上らせているのだろう。
「それが……なにかございましたか?」
紅月が英俊の意図を読みかねて訊ねると、父は真っ直ぐにこちらに視線を向けた。
「蘇家と高家とは、お前と圭嘉どのとの破談のことがあるまで、それなりに懇意だった。いまは交際を断って久しいが、そうはいっても、表立って不仲を見せているわけでもない。あからさまにそんなことをすれば、お前の評判にも関わるだろうし……だが、それで、蘇家は高家と未だ付き合いがあって、まあ、有態に言え、ば不正に絡んでいる可能性がないではない、と、陛下はわずかばかりお疑いだったようだ」
「っ、まさか……!」
紅月は驚きに声をあげた。
蘇府の前で馬車を停め、わざわざ一旦そこから降り、紅月と向かい合う。
「今日はいろいろありがとう。――今度、また」
「……はい」
衒いなく素直にとはいかなくとも、それでも、そんなふうに頷き返した自分が、紅月には不思議だった。
今度とは、いつだろう。朗輝は次に会う日の約束を具体的には口にしなかったし、だからちゃんと今度の機会があるかどうかなんて、ほんとうは、わからなかった。
それなのに、きっとそれはあるのだろう、と、そう思えるのが、紅月にはなんとも擽ったい。この気持ちはなに、と、自分の胸元に手を当てながら思っていた。
馬車に乗り込んで去って行く相手を見送った後、紅月は門をくぐって府邸の中へと入った。
院子を抜けて正房へと続く階を上りかけたところで、おかえり、と、そう言いながら父が姿を見せる。
「ただいま戻りました、父上」
紅月は英俊に対して軽く頭を下げる。
「うん。――どうだ、茶でも」
なにか言い澱むようにした英俊に、房間の奥を示されて、紅月は戸惑った。
もうすぐ夕餉の刻限だというのに、父がいまわざわざ喫茶を言い出すのは、何か理由でもあるのだろうか。すこしばかり怪訝には思ったが、ともあれ、茶に付き合えばわかることである。紅月は頷き、おとなしく、英俊の促すままに卓へと着いた。
父は文人だ。琴棋書画も、もちろん茶も、ひととおり嗜んでいる。紅月がするように団茶を削ったものを秤で量ったり、煮出す時間を線香で計ったりはせずとも、手早くおいしい茶を用意してくれた。
「父上のお茶は、久し振りです」
紅月は茶器を口許に運びつつ笑う。
「お前にやらせると、それが茶の道具かと思うものばかり引っ張り出してきて、それはそれで面白いからな」
くすん、と、英俊は肩を竦めた。
紅月は父の言にはちいさく口許を笑ませるだけで答えず、そのまま豊潤な香りのする熱い茶をひとくち呑んだ。
娘の算術好きを心配してはいても、結局のところ、英俊はひとり娘に甘いのだ。なんやかやと言いつつも、紅月から算盤や算木を取り上げたりはしないのが、その証拠だった。
もちろん紅月の将来を憂えてくれてはいるけれども、かといって、結婚を強要することもない。紅月にとって父は、一番の、そして、唯一の理解者だった。
けれども、今日、それがすこしだけ変わったのかもしれない――……朗輝は紅月の言に対し、すこしも厭な顔をしなかった。困り顔も見せず、ありのままに、こちらを受けとめてくれた。
たとえば紅月が算術好きの変わり者だったとしても、そのことを知ったとしても、もしかしたら、朗輝ならば気にせずにいてくれるのかもしれない。
紅月は朗輝との遣り取りを思い出し、ふ、と、頬をゆるめた。
「殿下との時間は、楽しかったようだな」
英俊は自分の分の茶を手ずから用意すると、茶器に口をつけ、そんなことを言った。
「そ、そんなわけでは……」
紅月は恥ずかしさから否定したものの、よくよくうかがい見ると、言葉とはうらはらに、英俊はどこか重い表情をしている。
「父上……?」
紅月が訝ると、父は、ふう、と、ひとつ長い息を吐いた。
「今日、な……お前が留守の間に、私は陛下に呼ばれて、皇宮へ参上していた」
英俊が言い出したのは、紅月には思いも寄らない、そんなことだった。
紅月は視線を上げ、英俊を見る。こちらの眼差しを受けとめてから、溜め息を吐くように、父は言葉を続けた。
「その時におうかがいしたのだが、陛下はどうも、皇太孫殿下に、江棟からの租賦の流れを探るように密命されておられるようだ。不正の疑いあり、と」
「租賦……」
紅月は呟きつつ、目を瞬いた。
そう、ちょうど馬車の中でも、朗輝とそんな話題になったのだ。もしかすると、あれはまったき偶然というのでもなかったのだろうか。そもそも朗輝が江棟から皇都へと運ばれる租賦について調べているのだとしたら、あの会話の流れはそもそも予定通りのものだったのかもしれない。
「殿下が今日、湊へおいでになったのも、その関係だったのだろう」
「ええ、はい……たしかに租賦を運ぶ船を気にしておられました」
紅月が言うと、うむ、と、英俊は唸り、また茶を口へ運んだ。
「父上?」
「いや……どうやら高家も、調査の対象のようでな。まあ、当主が戸部の尚書で、その嫡男も戸部に勤める官吏となれば、当然といえば当然だろうが」
そこまでひと息に言うと、英俊はまたそこで長嘆息を漏らした。
高家嫡男といえば、紅月の許婚だった高圭嘉のことである。戸部尚書は、その圭嘉の父親だ。
英俊は彼らが調査の一対象だという慎重な言い方しかしなかったけれども、もしかすると、その高家こそが不正の中心として疑われているということなのではないのだろうか。
だが、そのことをを、いまどういう繋がりで父は紅月との会話の中の話題に上らせているのだろう。
「それが……なにかございましたか?」
紅月が英俊の意図を読みかねて訊ねると、父は真っ直ぐにこちらに視線を向けた。
「蘇家と高家とは、お前と圭嘉どのとの破談のことがあるまで、それなりに懇意だった。いまは交際を断って久しいが、そうはいっても、表立って不仲を見せているわけでもない。あからさまにそんなことをすれば、お前の評判にも関わるだろうし……だが、それで、蘇家は高家と未だ付き合いがあって、まあ、有態に言え、ば不正に絡んでいる可能性がないではない、と、陛下はわずかばかりお疑いだったようだ」
「っ、まさか……!」
紅月は驚きに声をあげた。
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