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「さと…」
名前を呼べば来てくれるのかな。僕の…僕だけの竜。
「故郷のお仲間の名前ですか?」
「ううん…だいじなひと…」
僕の大好きな番なの。早く会いたい。早く…早く。
「さと…あいたい」
僕の翼がもっと大きければ。飛べれたのなら。
「さと…!!」
「リオっ!!」
空からサトが降ってきた。
あぁ…僕…見えないものが見えるようになっちゃったのかな。
「名を呼んでくれて助かった…おかげですぐ転移できたぞ」
「さと…?ほんもの…?」
「あぁ。…少し痩せたか。すぐに助けてやれずすまぬ」
「ううん…きてくれてうれしい…」
サトが来てくれた。サトがここにいる。サトが…。
ぎゅと強く抱きついて離れない。もう離したくない。
「…良かったですね。天使様」
「カトレアの者か…!!」
「さと…だめ…です」
「何故だ!!」
「…おせわしてくれ…ました…おはなし…してくれ…ました。ぼくが…おそとにでるの…てつだってくれまし…た…」
「…そうか。だが何もしなかった」
「…や」
「その子を助ける方法なら一つだけありますわ」
フィオナは翼をしまうとサトの少し後ろに立った。
「あなたを番様のおもちゃにしましょう」
「え?」
「おもちゃとなれば番様の所有物。竜王様といえど番様の所有物に傷をつけるのはわたくしが許しませんわ」
おもちゃ?お話する相手じゃなくて?
「…おもちゃ…なりたい…です?」
「天使様に仕えることができるのなら光栄ですけれど…」
「なら決まりですね。分かりましたね?竜王様」
「…」
サトは無言で僕を抱きしめた。
あったかい……この服くさい。サトの匂いがよくわからない。
僕は自分の服を脱ぎ始めた。
「何をしている」
「さとのにおい…よくわからない…これや…」
「すぐ帰ろう。あやつらには殲滅してから帰るよう伝えろ」
「はい。番様、お風呂の用意出来ていますからよろしければどうぞ」
「ん…」
お風呂入る…変な匂いするもん。お部屋の中変な匂いばっかりだった。
名前を呼べば来てくれるのかな。僕の…僕だけの竜。
「故郷のお仲間の名前ですか?」
「ううん…だいじなひと…」
僕の大好きな番なの。早く会いたい。早く…早く。
「さと…あいたい」
僕の翼がもっと大きければ。飛べれたのなら。
「さと…!!」
「リオっ!!」
空からサトが降ってきた。
あぁ…僕…見えないものが見えるようになっちゃったのかな。
「名を呼んでくれて助かった…おかげですぐ転移できたぞ」
「さと…?ほんもの…?」
「あぁ。…少し痩せたか。すぐに助けてやれずすまぬ」
「ううん…きてくれてうれしい…」
サトが来てくれた。サトがここにいる。サトが…。
ぎゅと強く抱きついて離れない。もう離したくない。
「…良かったですね。天使様」
「カトレアの者か…!!」
「さと…だめ…です」
「何故だ!!」
「…おせわしてくれ…ました…おはなし…してくれ…ました。ぼくが…おそとにでるの…てつだってくれまし…た…」
「…そうか。だが何もしなかった」
「…や」
「その子を助ける方法なら一つだけありますわ」
フィオナは翼をしまうとサトの少し後ろに立った。
「あなたを番様のおもちゃにしましょう」
「え?」
「おもちゃとなれば番様の所有物。竜王様といえど番様の所有物に傷をつけるのはわたくしが許しませんわ」
おもちゃ?お話する相手じゃなくて?
「…おもちゃ…なりたい…です?」
「天使様に仕えることができるのなら光栄ですけれど…」
「なら決まりですね。分かりましたね?竜王様」
「…」
サトは無言で僕を抱きしめた。
あったかい……この服くさい。サトの匂いがよくわからない。
僕は自分の服を脱ぎ始めた。
「何をしている」
「さとのにおい…よくわからない…これや…」
「すぐ帰ろう。あやつらには殲滅してから帰るよう伝えろ」
「はい。番様、お風呂の用意出来ていますからよろしければどうぞ」
「ん…」
お風呂入る…変な匂いするもん。お部屋の中変な匂いばっかりだった。
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