竜の花嫁〜最弱回復術師から世界最強の花嫁への道〜

本編

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｢…きもちわるい｣
｢大丈夫ですか？…後ろに入りましょう｡そこ空けて｣

壇上の奥に設置された天蓋付きの僕の休憩場所｡フィオナ達の手によってすぐにクッションが置かれたり僕用の軽食､飲み物まで整えられた｡

｢人酔いしてしまったんですかね…これは挨拶まで持ちそうにありませんわね｣
｢…がんばり…ます｣
｢…無理はしないでくださいませ｣

フィオナは薄い布を使って僕の額の汗を拭った｡

｢とりあえず…挨拶まではまだ時間がありますからここで休んでいましょう｣
｢お医者様を連れてきましたわ｣
｢診察をお願いしますわ｣

僕が診察を受けている間にもメイドさん達の手厚い看護は続いた｡

お気に入りのブランケット｡扇で仰ぐ｡汗を拭う｡などなど｡時々果物も食べさせてくれた｡プルグ美味しかった…｡

｢…これならば少し休めば治るでしょう｡ですがこの後のダンスは取りやめ､挨拶も短時間で済ませるようにしてください｣
｢もう番様が付き添う必要はないのでは？｣
｢そうですよ｡フィオナ様｣
｢…今回一瞬でも顔を見せなければまた催促の魔法が飛んできますわ｣
｢…人族め｣

…よく分からないけど…もう僕は寝ます｡いっぱい寝て…あとでサトにくっつく…｡