竜の花嫁〜最弱回復術師から世界最強の花嫁への道〜

本編

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フィオナ視点

わたくしが医師を連れて部屋に戻ってきた時､竜王様は番様を抱き抱えられていましたが､先程と違って番様は穏やかな顔で眠りについていらっしゃいましたわ｡

｢…どういうことだ｣
｢あら､竜王ともあろう者が気づけなかったのかしら？ふふ｡落ちたものね｣
｢竜王様を侮辱するなど…ガブリエラ様!!あなたといえど容赦はしませんよ!!｣
｢フィオナ!!今は良い!!｣
｢しかし…｣

竜王様を侮辱されて黙っているなど…｡

｢…今はリオを頼む｣

番様を渡されたのはいいのですが…番様にブランケットのひとつもかけてあげられないんでしょうか｡竜王様は｡

｢すぐに別の寝室を用意して｡部屋を温めてちょうだい｡…あぁあとこの部屋には誰も近づかないように｣
｢はい!!｣

わたくしは他のメイドに指示を出し､番様にブランケットをかけ､部屋をあとにした｡

ガブリエラ様が何故ここに？あの方は同族以外には目向きもされないはず｡番様の顔を見に来た？それだったら次月行うパーティーに招待しておりますしそちらで確認すればいいだけの事｡

｢…一体なぜ｣

そしてわたくしは用意された寝室のベッドに番様を寝かせようとして気づいた｡その背中の小さな羽に｡

｢…そういうことですの｣

天使族の中でも稀に生まれるというノーウィー翼のない天使族｡…ですが村長の話では母親は人族ということですし天使族は肉欲を嫌うはずですわ？なぜ他の種族と交わることに？

｢謎は深まるばかりですわね…｣

あとで竜王様に聞いてみましょうか｡教えてくださるかは分かりませんが｡