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本編

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「番様は今お幾つですの?」
「……わからないです。いつもは…毎年…村長が教えてくれて…」
「…ではこちらで推測した年齢で構いませんか?」

推測?僕のことなんて…知らないはずなのに。

「確か竜王様に番紋が出来たのが…13年前ですね。ですから番様は現在13歳となりますわ」
「…そう…なんですね」

村長に教えてもらっていたのは10歳までだったから…勇者様と3年間旅を…。

「…誕生日が分からないのは辛いですわね…」
「なぜ…ですか?」
「お祝いできないじゃないですか」
「…おいわい」
「まぁいいですわ。その辺は今後考えるとして…番様。わたくし相手には敬語を使わないでくださいませ」
「でも…」
「今突然出来ないと言うのでしたら徐々になくしていけばいいのですよ」

徐々に…。

「早急に番様のお部屋を整えなくては」
「…おへや」
「何か好みはありますか?」
「このみ…村の…村長のお部屋が…1番好きでした」
「村長の…分かりましたわ」

フィオナは僕を椅子に座らせてティーセットを用意した。

「ではこの世界のことを説明しながらお茶でも飲みましょうか」
「フィオナの…分はないんですか?」
「えぇ。わたくしは一介のメイドに過ぎませんから」
「…どうぞ」

僕は自分のカップをフィオナの方に動かした。

「…わかりましたわ。竜王様には秘密、ですよ?」
「はい」

フィオナはもう1セット準備を済ませると僕の向かいの席に座った。

「では、軽いお勉強を始めましょうか」
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