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「…ん…」
「…起きたか」
…へ?
「…おはよう。私の愛しいリオ…」
「りお…?」
「私のマリネが見つかったら名付けようと決めていたのだ。…長らく待たせてしまったな」
「…りお…僕の…名前、ですか?」
「…?あぁ。だがその名は私しか口にせぬ。マリネとは竜にとっては唯一無二の存在。番の知らぬことなどあってはならぬのだ」
「ゆいーつむに…つがい…」
分からない言葉が多すぎて理解できない…。
「…だが」
ふと、サトは僕の手を取った。
「この傷はなんだ。まだ癒えていない…真新しい傷が幾つも…」
あれ?サトは知らないのかな…。
「僕…は昔から…その…体液で回復させる…ことが出来て…」
「…まさか」
「…いいんです。僕にできることはこれぐらいですから」
勇者様の役にたてるのであればなんでもよかった。両親のいない僕を育ててくれた村長も…大切だった村もなくなってしまったから。帰れる場所もなくした僕は勇者様に慈悲を恵んでくださる以外選択肢がなかったから。
「…すまない」
「…サトのせいじゃないです」
「すまない…私の…私のせいだ。無駄にリオを傷つけてしまった…」
ど…どうしよう。サトが落ち込んじゃった…?
「…本来であれば…リオは生まれてすぐこちらに来る予定だったんだ」
「え…あの、待って…ください。…生まれてすぐ…?僕は捨てられていたはず…じゃ…」
「…旅人の、女の腹から生まれたのがリオだ。その女はリオを産み落としすぐに息絶えた」
「…僕の…お母さんが…」
自分の命と引き換えに僕を…産んでくれた?
「…リオ。自分の背中のアザを知っているか?」
「…アザ?…知りません」
そんなものがあることも…今初めて知った。でも昔から村長は僕に触れる時、必ず肩や手に触れていた。時々頭や頬を撫でてくれた。
「リオの背中一面に広がるアザは番紋と呼ばれるものでな。…体中の神経を集めたようなものなんだ」
「それが…何か?」
「そこに少しでも力が加われば簡単に気を失ってしまうんだ。ここに来る前、あの男に蹴り飛ばされただろう?」
あれは凄く痛かった。痛くて痛くて…気を失ったんだ。
「…見せてくれないか?」
「何を…するんですか?」
「番紋を隠す」
「…かくす…?」
「あぁ。私の魔力で覆うから見えなくなるし衝撃が加わることも無くなる。…別の方法もあるのだがそれはまた次の機会に、な?」
リオは丁寧に僕の服を脱がせると背中に手を当てた。
くすぐったい…けどそこから暖かいのが広がって…なんだろう。気持ちいい…。
「…リオ?」
「すぅ…すぅ…」
「…寝てしまったか」
処置を終えたサトはリオの服を元に戻し、薄布をかけた。
「おやすみ。私のリオ…」
「…起きたか」
…へ?
「…おはよう。私の愛しいリオ…」
「りお…?」
「私のマリネが見つかったら名付けようと決めていたのだ。…長らく待たせてしまったな」
「…りお…僕の…名前、ですか?」
「…?あぁ。だがその名は私しか口にせぬ。マリネとは竜にとっては唯一無二の存在。番の知らぬことなどあってはならぬのだ」
「ゆいーつむに…つがい…」
分からない言葉が多すぎて理解できない…。
「…だが」
ふと、サトは僕の手を取った。
「この傷はなんだ。まだ癒えていない…真新しい傷が幾つも…」
あれ?サトは知らないのかな…。
「僕…は昔から…その…体液で回復させる…ことが出来て…」
「…まさか」
「…いいんです。僕にできることはこれぐらいですから」
勇者様の役にたてるのであればなんでもよかった。両親のいない僕を育ててくれた村長も…大切だった村もなくなってしまったから。帰れる場所もなくした僕は勇者様に慈悲を恵んでくださる以外選択肢がなかったから。
「…すまない」
「…サトのせいじゃないです」
「すまない…私の…私のせいだ。無駄にリオを傷つけてしまった…」
ど…どうしよう。サトが落ち込んじゃった…?
「…本来であれば…リオは生まれてすぐこちらに来る予定だったんだ」
「え…あの、待って…ください。…生まれてすぐ…?僕は捨てられていたはず…じゃ…」
「…旅人の、女の腹から生まれたのがリオだ。その女はリオを産み落としすぐに息絶えた」
「…僕の…お母さんが…」
自分の命と引き換えに僕を…産んでくれた?
「…リオ。自分の背中のアザを知っているか?」
「…アザ?…知りません」
そんなものがあることも…今初めて知った。でも昔から村長は僕に触れる時、必ず肩や手に触れていた。時々頭や頬を撫でてくれた。
「リオの背中一面に広がるアザは番紋と呼ばれるものでな。…体中の神経を集めたようなものなんだ」
「それが…何か?」
「そこに少しでも力が加われば簡単に気を失ってしまうんだ。ここに来る前、あの男に蹴り飛ばされただろう?」
あれは凄く痛かった。痛くて痛くて…気を失ったんだ。
「…見せてくれないか?」
「何を…するんですか?」
「番紋を隠す」
「…かくす…?」
「あぁ。私の魔力で覆うから見えなくなるし衝撃が加わることも無くなる。…別の方法もあるのだがそれはまた次の機会に、な?」
リオは丁寧に僕の服を脱がせると背中に手を当てた。
くすぐったい…けどそこから暖かいのが広がって…なんだろう。気持ちいい…。
「…リオ?」
「すぅ…すぅ…」
「…寝てしまったか」
処置を終えたサトはリオの服を元に戻し、薄布をかけた。
「おやすみ。私のリオ…」
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