普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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番外編

吸血鬼

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直人視点

こんこん。
「はい…どちらさ…ちっさ!?」
「ごはんください」
「…え?」
ご飯って…なんの事?
うち別に炊き出しとかやってないんだけど。
「あっちのおねーさんがここならご飯くれるって」
門の外で応援しているのは…淫魔?
「…あのね、うちの種族は吸血鬼であって…」
「ぼくね、さきゅばす?なんだって」
「…うん」
「でもね、うまれたばっかりでまりょくぜんぜんないからいっぱいたべさせてもらいなさいって」
「…男性体のサキュバスって…」
「にゅ?」
どうみてもこの子はケットシーとかそっちのが合ってた…。
小さいし…色々小さいし!!
「まぁ…おいで。どのくらいお腹すいてるの?」
「んー…いっぱい?」
「そっか」
とりあえず家の中に招いた。
門の外のお姉様方は無理だけど…さすがに淫魔複数相手は無理。









「直人そいつは?」
「兄妹候補。どうみてもサキュバスのままだと死んじゃうから…兄さんが噛んだ方がいいかな」
「だろうな」
「ごはん…」
「ちょっと待っててね」
その子を抱き上げて兄さんの膝に乗せた。
「…体中の血が抜けると思うけど…大丈夫か?」
「ふぇ?」
「分かってない…よね。うん…まぁやろう」
「だな」
「ぴゃっ」
その子は噛み付かれた瞬間こそ可愛らしい悲鳴をあげたけどもすぐに大人しくなった。
「…っは。かなり上質な血だな……よしよし、変化も上手くいったようだし」
「兄さん…変化も同時にしてたの?」
「この子に負担をかける訳にはいかないからな。これだけで空腹は満たせたはずだ」
「可愛い牙だね」
この子はサキュバスから吸血鬼になれた。
…それならば僕達が家に置いていても不思議に思われないし食事も与えられる。
「兄さん達何その子ー!!」
「夏おかえり。学校はどうだった?」
「今日も1番取れた!!その子は?」
「夏の弟になる子だよ。まだ変化を終えたばかりだから学校はしばらくいけないね」
「夏の弟!?可愛い…」
「元サキュバスだからね」
「大事にする!!」
ぎゅーと夏に抱きしめられた。
…しばらくは同族の血を…その後から家畜とか人間と混ぜながら…かな?
育児は久しぶりだな…。























なお、サキュバスのお姉様方

「やっぱりあの子は保護されたわね」
「あの子内包された力が強すぎて私達じゃ弱らせちゃうもの」
「頑張って大きくなるのよ」

しばらく明かりの点いた窓を眺めていたがそっと去っていった。
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